野鳥観察の法律Q&A(Ver.2)

−とわの彼方へ翔び去ったセイタカシギに捧げる−

バード法律事務所
トリ弁護士たち


 この資料は,バード法律事務所の糸魚さんのご好意で転載させてもらっています。
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[目 次]
《このQ&Aの生い立ち》
テーマ 1 このQ&Aの生い立ち
《野鳥保護・観察の法律知識》
テーマ 2 鳥獣保護・狩猟法
テーマ 3 野鳥に関する条約
テーマ 4 鳥獣保護活動
テーマ 5 野鳥観察の法律上の位置
《適法に野鳥を捕獲し得る場合その1・狩猟の法律知識》
テーマ 6 狩猟と法律
テーマ 7 狩猟の資格
テーマ 8 狩猟鳥と非狩猟鳥
テーマ 9 野鳥の雛と卵
テーマ10 狩猟の時期・期間
テーマ11 狩猟の場所
テーマ12 狩猟の道具
テーマ13 捕獲数量
テーマ14 狩猟の方法
テーマ15 野鳥観察に出掛ける前に
《適法に野鳥を捕獲し得る場合その2・特別捕獲許可の法律知識》
テーマ16 特別捕獲許可
テーマ17 学術研究
テーマ18 有害鳥の駆除
テーマ19 飼養許可
テーマ20 傷病その他の理由の緊急保護
《野鳥犯罪の法律知識》
テーマ21 野鳥の密猟
テーマ22 野鳥の密売買
テーマ23 野鳥の不正飼養
《野鳥犯罪取締り・捜査の法律知識》
テーマ24 鳥獣保護・狩猟法違反の取締り・捜査態勢
テーマ25 犯罪・事件の通報先
テーマ26 捜査手続のあらまし
《野鳥密猟者に出会った場面の法律Q&A》
テーマ27 セイタカシギ射殺事件
テーマ28 コミミズク射殺事件
テーマ29 かすみ網による密猟
テーマ30 猟犬を使ってする密猟
テーマ31 密猟者と遭遇した際の態度
テーマ32 鳥屋を設置させない方法
テーマ33 密猟対策のための市民の集まり
テーマ34 野鳥密猟問題シンポジウムの報告
《野鳥密売買に気付いた場面の法律Q&A》
テーマ35 密猟した野鳥を輸入鳥にごまかすケース
テーマ36 密売買に気付いたときの対策
テーマ37 野鳥の密売買とDNA鑑定
《飼われている野鳥を発見した場面の法律Q&A》
テーマ38 飼われている野鳥を発見したときの対策
《野鳥観察を妨害された場面の法律Q&A》
テーマ39 野鳥観察を妨害されたときの対策
《鳥害の法律Q&A》
テーマ40 鳥害対策
[資 料]
[このQ&Aの改訂経過と謝辞]


《このQ&Aの生い立ち》
【このQ&Aの生い立ち】
Q この「野鳥観察の法律Q&A」は、どんな「きっかけ」から、誕生したの。まず最初に、そこんとこから教えて・・・。
A FBIRDの仲間からの書き込みが、そもそもの「きっかけ」なんですよ。平成7(1995)年2月、FBIRDの仲間(きたきつねさん)からの、「野鳥観察中、ハンターがセイタカシギを散弾銃で撃ち殺してしまい警察に通報したけど、こんな場合の対応はどうすればよいのだろうか。」という報告がきっかけとなり、密猟対策のマニュアル作りが提案され、仲間たちがそれぞれ「バード法律事務所のトリ弁護士」になって意見を交わし、集まった意見を多少法律知識のある仲間が取りまとめたというわけです(きたきつねさんの「セイタカシギが目の前で銃殺」・95/02/13 22:47アップなどの書き込みは、資料にありますヨ。)。
 最初は密猟を中心にして、個別の意見を集約したいわば「点」のようなQ&Aでしたが、その後の1年間に多方面にわたるたくさんの意見が集まってきましたので、次第に論点も広がり、いわば「面」の広がりを持つQ&Aへと成長してVer.2へバージョンアップできることとなりました。通常の書籍とは違い、新しい体験が報告されて意見が交わされるたびに成長していくというパソコン通信の魅力溢れる、未来志向・発展型の法律Q&Aですから、あなたも、大いに参加してくださいネ。

Q この「野鳥観察の法律Q&A」は、基本的に、どんな考え方に立っているのですか。
A このQ&Aの生い立ちからお分かりのように、もともと密猟対策として、私たちバードウオッチャーが法律的に何ができるのかというところから出発し、様々な形で議論した仲間の意見を取りまとめたものですから、野鳥をめぐる我が国の法律・つまり現行法の規定を知った上で、これを最大限に活用するための法的テクニックを皆で会得しようという考えに立っております。そういうわけで、仲間の体験や意見を踏まえての基礎的な解説ばかりですから、覚えておいて損(?)はありません。

Q このQ&Aを利用する際、どんなことに気を付けておいたらいいでしょうか。
A この「野鳥観察の法律Q&A」は、たくさんの仲間の意見を取り集めたものですから、「バード法律事務所・トリ弁護士たち」の共同執筆のようなものとして、仲間の誰でもがFBIRDの外部に広く紹介できるという方針で公開することとしております。
 ですから、利用の際に気を付けていただきたいことといったら、そうですね、読んだり・利用された方々から有益な意見をアップしていただきたいということです。是非、欠けている点や将来の改良案を指摘願い、逐次バージョンアップを重ねられるようにしていきたいと思います。

《野鳥保護・観察の法律知識》
【鳥獣保護・狩猟法】
Q では、一番基礎的なことから、質問します。  「鳥獣保護法」という名称の法律が野鳥を取り扱っている法律だと聞いているのですが、これはどんな法律なんですか。
A 「ピンポーン」といきたいのですが、正式の題名が「鳥獣保護法」という法律はないのですよ。正しい名称は「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」です。
 環境の保全に関わる根本的な法律は、「環境基本法」(平成5年法律91号)ですが、環境関係の法律のうちで、野鳥について具体的に定めている基本法が、「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」なのですね。それで、このQ&Aでは「鳥獣保護・狩猟法」と略すことにしましょう。
 この鳥獣保護・狩猟法の第1条には、「本法は鳥獣保護事業を実施し及狩猟を適正化することに依り鳥獣の保護蕃殖、有害鳥獣の駆除及危険の予防を図り以て生活環境の改善及農林水産業の振興に資することを目的とす」と規定されています。
 古い法律を改正してきたため、句読点の少ないカタカナ書きの難しそうな文章ですが、この法律は、まず第一に鳥獣保護事業を実施して鳥獣の保護繁殖を図ることをうたい、一方、狩猟を適正化することによって、有害鳥獣の駆除や狩猟の種々な危険の予防を図ることとし、これらを総合して、生活環境の改善と農林水産業の振興に役立たせることを目的としているのです。
 全条文は、資料にありますから、ご参照くださいネ。


Q ひぇー。バードウオッチャーのための法律だとばかり思っていたのに、ハンターの「狩猟」も取り扱っている法律なんですか。
A そうなんですよ。少し歴史を訪ねてみましょうか。
 江戸時代には、徳川幕府の禁猟政策によって、我が国の山野に鳥類が豊富に生息していたそうです。慶応3(1867)年大政奉還で、鳥獣に関する幕府の諸制度が廃止され、廃仏毀釈の動きもあり殺生禁断の戒律が緩み、その上鉄砲所持規制の消滅などが重なって、ツル・トキ・ガンなどの大型鳥類が乱獲されて、江戸の市中で銃猟するものさえ現れ、銃弾で負傷する事件が頻発するという有様で、そこで、明治政府は、危害防止のため、明治5年に「銃砲取締規則」という名称の太政官布告を発布し、免許人以外の者がみだりに銃猟することを禁止したのです。
 沿革としては、そこまでさかのぼるのですが、これが明治6年に「鳥獣猟規則」となり、明治25年「狩猟規則」と変わり、また明治27年に「狩猟法」という法律になったのち、大正7年に当時としては画期的な「狩猟法」の大改正が行われ、その改正で、新規に同じ題名ですが「狩猟法」が制定されて現在の法律の出発点になったのです。
 そして、昭和38年の改正で、題名に「鳥獣保護」が付け加えられて、現在の題名の「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」と改められ、このときから、野生鳥獣の狩猟に対する規制の法律から野生鳥獣の保護を図ることへと法律の性格を変えてきたのです。
 それにしても、大正7年生まれの「御ン年78歳」の古色蒼然(こしょくそうぜん)としたこの法律を一読して理解できるバードウオッチャーは、何人いるのかなー。
 鳥獣保護・狩猟法の関連法令とか文献などのリストは、資料にありますので、ご利用願います。
 なお、昭和46年に環境庁が設置されたので、この法律関係の事務は、それまで所管してきた林野庁から環境庁に移されました。

【野鳥に関する条約】
Q 「バード法律事務所」の守備範囲からは離れてしまうかも知れませんが、野鳥の保護のための条約には現在どんなものがあるのですか。日本の国内法に加えて、世界から信頼される国家・国民として守らなくてはならない条約にどのようなものがあるのか、この機会に知りたいんですけど・・・。
A 条約とは、国際法上の法律関係・権利義務を形成する、文書による国と国の明示の合意です。その名称が「協定」であっても、「条約」なんです。
 野鳥が絶滅や減少の危機に瀕している原因は、国際的に、生息地の破壊や環境の悪化と過度の商業取引等によるものと認識されており、地球規模の保護体制が必要ですから、国際的な約束を取り交わすわけですね。
 我が国の野鳥に関する条約としては、水鳥の生息地として重要な湿地を保全するための「ラムサール条約」、過度の商業取引による種の絶滅を防ぐための「ワシントン条約」、それに「日米渡り鳥条約」・「日ソ渡り鳥条約」・「日豪渡り鳥協定」・「日中渡り鳥協定」の渡り鳥条約があります。


Q 資料に、「ワシントン条約」が収録されましたが、この条約のことを簡単に教えてください。
A この条約の正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」で、英文の頭文字をとって「CITES」とも言われます。通称はこの条約採択のための全権会議が開催された地名・ワシントンにちなむものですね。
 昭和47(1972)年6月、ストックホルムで開かれた国連人間環境会議の「野生動植物の特定の種の輸出、輸入及び輸送に関する条約案を作成し、採択するために、適当な政府又は政府間組織の主催による会議をできるだけ早期に召集する」という勧告に基づいて、昭和48(1973)年ワシントンにおいて全権会議が開かれ、3月3日条約が採択され、昭和50(1975)年7月1日より発効しました。
 条約は、規制対象とする動植物の種を条約の附属書にリストアップし、「附属書1」が絶滅のおそれのあるもの、「附属書2」が必ずしも絶滅のおそれはないが規制を要するもの、「附属書3」が締約国が自国内で規制を行う必要があると認め、取引の取締り上、他の当事国の協力を必要とするものの3種に分類されています。附属書の種は、2年半ごとに開催される会議で改訂されています。
 平成7年2月現在の加盟国は126か国で、約35000種の野生動植物の取引を規制しています。この条約締約国は附属書に掲げられている種について留保できることとなっており、留保した種については、その国に限って条約の効力が及ばないこととなりますが、日本は、最大で14品目の留保品目から減って現在はマッコウクジラなど6品目の鯨類を留保しています。
 この条約に基づく国内法として、昭和62年に「絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律」が制定・施行されておりましたが、野生動植物の保護強化のため、平成4年に、「特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律(昭和47年制定)」とともに、新規立法の「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(絶滅種保存法・平成4年法律75号)」に吸収拡充されました。


Q ついでに、「日本版レッドデータブック」ってなんですか。
A 環境庁は、平成3(1991)年に4月に「日本の絶滅のおそれのある野生生物・脊椎動物編」を刊行しましたが、これが「日本版レッドデータブック」と呼ばれており、その掲載する種について、絶滅種(我が国ではすでに絶滅したと考えられる種または亜種)、絶滅危惧種(絶滅の危機に瀕している種または亜種)、危急種(絶滅の危機が増大している種または亜種)、希少種(存続基盤が脆弱な種または亜種)等に区分されています。
 資料にそれぞれのリストを収録してあります。


Q 「日中渡り鳥協定」も、渡り鳥条約なのですね。渡り鳥条約についても、簡単に教えてね。
A 渡り鳥条約については、現在のところ2国間条約(我が国に渡来する渡り鳥の98パーセントをカバーしているそうです。)ですが、アジア諸国がこぞってアジアの野鳥を保護するために、速やかに多国間条約を締結することが望まれており、それに向けた作業が続けられているそうですから、我が国への野鳥の輸入規制という大きな夢を実現させたいものです。
「日中渡り鳥協定」も資料に入れましたから、参照してください。


【鳥獣保護活動】
Q 鳥獣保護・狩猟法の目的とする第一のポイントは、鳥獣保護事業を実施して鳥獣の保護繁殖を図ることだというわけネ。
 そうすると、我が国の鳥獣保護活動は、だれがどういう形で実施しているのですか。
A はい、国が直接やるものだと考えているかも知れませんが、なにしろ日本は狭いようで広いですから、鳥獣保護・狩猟法は、各都道府県知事が責任をもって鳥獣保護活動を実施することにしています。
 鳥獣保護・狩猟法は第1条の2には、都道府県知事は鳥獣保護事業を実施するため環境庁長官が定める基準に従い鳥獣保護事業計画を定めるものとされており、具体的に、この鳥獣保護事業計画中に、「計画の期間・鳥獣保護区の設定及特別保護地区の指定並に休猟区の設定並に此等の整備に関する事項・鳥獣の人工増殖及放鳥獣に関する事項・有害鳥獣の駆除に関する事項・鳥獣の棲息状況の調査に関する事項・鳥獣保護事業に関する啓蒙に関する事項・鳥獣保護事業の実施の体制の整備其の他鳥獣保護事業の実施の為必要なる事項」を定めなさいと規定しております(むずかしくてスイマセン)。
 つまり、環境庁が我が国の全体的な基準を定め、これに従って、知事が、鳥獣保護事業計画を立案して実施するように定められているわけで、現在は第7次計画(平成4年4月1日から平成9年3月31日までの5年間)として、それぞれの都道府県で鳥獣保護活動が推進されています。


Q なるほど、野鳥観察もその中に書いてあるわけネ。
A そ、そういうこと。
 事項としては、「鳥獣保護事業に関する啓蒙に関する事項」に入るので、大いに計画書を読んでその活動計画を知り、参考にしましょうよ。
 各都道府県には、「○○県公報」というものがあり、現在の「第7次鳥獣保護事業計画書」は平成4年3月の公報やその号外に登載されているはずですから、読んでみられたら・・・。なーるほどと思いますよ、ホント。


【野鳥観察の法律上の位置】
Q そうすると、次は、「野鳥の観察」の法律的な位置付けをしておくわけね。まず、我が国の法律が、「野鳥の観察」という行為をどんなものと見ているのかその定義をしてみてください。
A はーい。かんたん、簡単。「野鳥」を「肉眼や双眼鏡で観察すること」です。


Q あれ、ちょっと待って。密猟者も野鳥を観察して獲物を探しているんですが、それを世の中では「野鳥観察」なんて呼んでいませんよ。そんな定義でいいんですか。
A あ、そうか。法律が定義してその内容をしっかりと押さえておくのは、そうする必要がある行為について、その内容を誤解のないように確定しておくためだと言いたいんですね。
 はい、分かりました。私たちFBIRDの仲間は、「野鳥と共生するという願いをこめて」、「野鳥観察」をしているということですね。
 鳥獣保護・狩猟法を見てみましょう。法律に書いてあると思いますヨ。ウウッ!鳥獣保護・狩猟法の条文には「野鳥の観察」の字句は見当らない。あー、やっと、この法律を実施するために内閣が定めている政令の「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行令」の中に、「動植物の観察」という字句を見付けました。
 鳥獣保護・狩猟法第8条の8第5項に、「特別保護地区の区域内に於て水面の埋立又は干拓、立木竹の伐採、工作物の設置其の他鳥獣の保護蕃殖に影響を及ぼす虞ありとして政令を以て定むる行為を為さんとする者は環境庁長官又は都道府県知事の許可を受くべし」という規定があって、「政令を以て定むる行為」が、鳥獣保護・狩猟法施行令第3条に列挙されています。
 その第6号に、「撮影、録画若しくは録音をし、又は鳥獣の営巣に影響を及ぼすおそれがある方法として環境庁長官が定める方法により『動植物を観察』すること。」と待望の「観察」が出ていましたよ。
 ついでに、「環境庁長官が定める方法により『動植物を観察』すること」の、環境庁長官の定めは、まだ発出されていないのです。最近、珍鳥情報の自主的な規制の問題が論議されていますが、その論議が固まってくるといいですね。


Q そうすると、法律自身は何も規定していないから、密猟者が「野鳥を肉眼や双眼鏡で観察すること」と同じことじゃないんですか。
A いいえ、それが大違いなんですよ。
 野鳥を観察するという行為は、個人的に探鳥会に参加するとか、野鳥の調査研究など種々な観察の場面がありますね。鳥獣保護・狩猟法の条文の中に「野鳥観察」という字句で書いてなくても、この法律は、それが、この法律の中核部分である「鳥獣保護事業」を支えている大事なことだという考え方から立法されており、このことは条文の規定の仕方からも明白に分かるのですね。(私たちの野鳥観察の定義)
 そこで、「野鳥観察の法律Q&A」では、環境基本法の規定に基づく「環境基本計画」を参酌して、『野鳥観察』とは、『健全な生態系が維持された環境の下での自然と人間の共生の確保のために、野鳥を肉眼あるいは機器を用いて観察すること』と定義して、私たちと密猟者との間に一線を画しておくことにいたしましょう。


Q ふー、難しいナ。法律が出てくると、「野鳥観察」も急に難しくなるのネ。
A 学者先生だと「環境権」の一部というような説明になるんでしょうが、私たちは、手作りマニユアルに役立つ範囲で、「野鳥観察」を定義付けしておこうというわけですね。
 でも、こうやって整理しておくことが大事なことなんですね。例えば、暴漢から「野鳥観察」を妨害されたとき、現行法が「野鳥観察」という私たちの行為を守ってくれる根拠はこれだと自覚し、密猟者や密売者には決して負けないぞという第一歩にしましょう。

《適法に野鳥を捕獲し得る場合その1・狩猟の法律知識》
【狩猟と法律】
Q 私たちは、野鳥の密猟事件に出会ったことからこんな形のマニュアルを作ろうと考えたんだから、「密猟」の前提として「狩猟」を知っておくことが必要ですよネ。まず、法律に行く前に、狩猟って何ですか。
A 狩猟をした経験がないので、平凡社のCD−ROM版世界百科事典を引いてみました。適宜省略した上、少し長く引用して百科事典の筆者には恐縮ですが、鳥の狩猟については、次のようなことだと分かりました。
「狩猟とは、野生鳥獣を捕獲殺害することを目的とする行為で、これを日常の生活手段としている者が狩人と呼ばれたが、次第に娯楽・スポーツとしての意味を多く含むようになったのが現代の狩猟である。
 現代の狩猟は銃猟が中心であり、猟具としては銃が主用される。しかし網猟も一部では伝統的な猟法として継承されていたり、有効な害鳥駆除の方法として行われている。
 網猟は主に鳥類を捕獲する猟法で、ウサギ網のみが例外である。かつては小鳥類を捕獲するかすみ網が網猟として盛んであったが、現在では禁止されている。現在行われている網猟はカモ類を対象にするカモ網、スズメやキジバトなどが対象の無双網、スズメを捕らえる袋網などがある。カモ網の代表的なものは谷切(やつきり)網と呼ばれるもので、夕方、山間の湖沼から平野部へ採餌に峰越しに飛ぶカモの通路に、巨大な張網をして捕獲する猟法である。伝統的な猟法として存続が認められており、新規には許可されない猟法でもある。無双網は引網の一種で、餌やおとり、またその両方で鳥を寄せ、引綱で網をかぶせるもので猟法や獲物により多くの種類がある。袋網は冬季、河原のアシなどに夜群れて休んでいるスズメを追って大量に捕獲する。
 銃猟は大別すると火薬を使用する装薬銃によるものと、空気銃によるものとに分類できる。前者では主に散弾銃が用いられるが、それは日本での銃猟は鳥猟が中心になっていることと、獣猟に適したライフルの所持資格が厳しく、また散弾銃でも単一体の実弾を使えば、一応ライフルに代用し得るからである。また鳥猟が銃猟の中心であるのは、日本には獣猟に適した野生獣の生息が少なく、これに対して鳥類の生息、ないし渡りに比較的めぐまれていることにもよる。後者の空気銃猟は、スズメから大きくてもキジバトくらいまでの小鳥猟であり、諸外国の多くでは空気銃が猟具として認知されていないので、日本独特の銃猟といってよい。しかし国土が狭隘(きようあい)で人家も多い日本では、装薬銃では危険な猟場でも小まめに入ることができる。
 鳥猟は、陸猟と水猟に分けられる。陸猟はヤマドリやキジ、コジュケイ、ウズラなど山間や原野にかけての猟となるが、内陸に点在する湖沼には内陸性のカモ、いわゆる陸ガモも生息するので獲物は多彩である。一方、水猟は多くがカモ類が対象の猟となり、いわゆる水鳥猟である。しかし水辺にはタシギ、ウズラなども生息し、変化に富む猟が行える。海に近い湖沼、内湾や海岸ではカモ類も海ガモとなり、内陸性のものとは種類も異なる。俗に一足二犬三鉄砲と言われるが、陸猟では健脚であることと良い猟犬を持つことが大切である。これに対し水猟では猟犬はさほど重要ではない。猟法がボートを使用したり、水辺におとりを置いての待ち撃ちなどになるからである。獲物の回収に使うこともあるが、犬は動いて目立つので使用しない場合が多い。」


Q なるほど。さすが百科事典ですね。よく分かりました。
 そこに、鳥獣保護・狩猟法という法律が登場してくるわけね。
A そうなんです。
 鳥獣保護・狩猟法は、山野や水辺等の自然に生息する野生鳥獣を対象とするのですが、そのような野生鳥獣が一般的に生活環境の改善に役立つし、農林水産業等の振興にも有益だということから、すべて保護繁殖する価値があると考えるわけですね。
 だから、野生鳥獣を捕獲してはならないという大原則を打ち立てます。しかし、野生鳥獣の保護繁殖ばかりでは、有害な野生鳥獣の増加という問題が生じてきますので、有害鳥獣の駆除を考慮する必要もあり、そこで、野生鳥獣の保護繁殖を行い、また一方では有害鳥獣の駆除もし、そうやって確保された野生鳥獣について、資源の利用や人類の昔から存在していた猟の価値・楽しさを味わうことができる範囲に限って、その捕獲を認めるのが適当だと考えられるようになったのです。それが、百科事典の説明にあるような「狩猟」が法律の場面に登場してくる意味なのですね。
 そして、それが、第1条の4第1項の「狩猟鳥獣以外の鳥獣は其の捕獲(殺傷を含む以下同じ)を為すことを得す」という鳥獣保護・狩猟法の規定になります。
 ということから、鳥獣保護・狩猟法は、「狩猟」とその第12条の「学術研究又は有害鳥獣駆除のためその他特別の事由により環境庁長官又は都道府県知事の許可を受けた場合」に限って、野鳥の捕獲ができることとしていますが、捕獲できる野鳥の種類、狩猟の期間や場所、捕獲数、猟具の種類などに詳細な制限がありますし、狩猟を行おうとする者は狩猟免許を得なければならないことなどが定められているわけで、我が国では、野鳥は、法律の規定上、手厚く保護されているのですね。
 なお、「狩猟」は、職業として狩猟を営んでいる人もあるでしょうが、法律上は、明治時代に既に職猟と遊猟の区別を廃止し、娯楽・スポーツとして、狩猟免許を所持している者が、その年の狩猟者登録をしてから、狩猟鳥を法定の猟具で捕獲するというように、様々な制約があり決してしたい放題(?)が許されているようなものではありません。


Q そうでしょうね。そこまでの説明はよく分かりました。
 そうすると、ハンターの側にも法律で認められている団体があって、その団体としての「狩猟」の考え方があるのでしょうね。
A そのとおりです。まず、ハンターの側の団体としては、鳥獣保護・狩猟法公認の「社団法人大日本猟友会」があります。この団体は、甲種・乙種・丙種の狩猟免許者のハンターが全員加入している全国組織で、都道府県には都道府県猟友会、市と郡には支部猟友会、町村と地区には地区猟友会があります。
 鳥獣保護・狩猟法の条文を見ますと、第8条の3は狩猟者登録の規定ですが、その第3項に、狩猟者登録の申請を都道府県知事が拒むことができる場合がいくつか定められており、「狩猟に因り生ずる危害の防止又は損害の賠償に付総理府令を以て定むる要件を備へざるとき」にも拒むのですが、この損害賠償のための共済事業を行う民法上の公益法人として、昭和54年環境庁告示27号が「社団法人大日本猟友会・東京都千代田区九段北3丁目2番11号」を指定しているように、ハンターの大事な団体なんです。
この社団法人大日本猟友会発行の「狩猟読本」には、「これからの狩猟は、あらゆる種類の野生鳥獣が、豊かな自然環境の中で、適正な数を保って生息を続けられるよう、その生息環境を保全し、一方、適切な個体数調節を具体化するために捕獲又は増殖を行う行為でなければなりません。」と記述されており、それが狩猟者側の「見識」なんだと理解しておりますが、正規の「狩猟者」と「野鳥保護家」の思いは、同じ地平を目指しているのだということです。


【狩猟の資格】
Q それじゃあ、次に「正規のハンター」の見分け方というのかな、狩猟に出る資格について教えてください。
A 実際に狩猟に出るには、まず、3年間有効の狩猟免許を受けておいた後に、その年狩猟に出掛ける予定の猟場を管轄する都道府県知事に狩猟者登録の申請をして、登録証の交付を受けてから、出猟することになります。
 狩猟免許は、甲種・乙種・丙種の3種があり、甲種狩猟免許は銃器の使用以外の方法(網・むそう網、はり網、つき網、なげ網、わな・くくりわな、はこわな、はこおとし、とらばさみ)で狩猟をするハンターに、乙種狩猟免許は銃器(散弾銃・ライフル銃)で狩猟をするハンターに、丙種狩猟免許は空気銃・圧縮ガス銃で狩猟をするハンターに与えられます。
 興味深いのは、技能試験の「鳥獣の判別」で、狩猟鳥獣と誤認し易い非狩猟鳥獣16種類の図面を見て瞬時に判別テストをするのですが、「狩猟鳥と誤認し易い非狩猟鳥」は「ヨシゴイ、ササゴイ、マガン、オシドリ(オス)、トモエガモ(オス)、ホオジロガモ(オス)、ウミアイサ(オス)、ヒクイナ、オオバン、」です。どうぞ、図鑑で確かめてみてください。
 そして、狩猟者登録ですが、登録を済ませると、狩猟者登録証・狩猟者記章・鳥獣保護区等の地図(この地図については、後でまた説明します。)の交付を受けます。
 環境庁の「平成4年度鳥獣関係統計」によりますと、その年度の狩猟免状交付総数は25万9751件でしたが、狩猟者登録者は税金を納めることとなっており、狩猟者登録件数の総数24万4728件で、狩猟登録税額の総額21億9392万3700円ということでした。
 ところで、日本野鳥の会の「野鳥」誌(1992年11月号)によると、同じ平成4年の会員が平成4年8月19日に4万人を突破したのでしたね。その会員数とその年の狩猟免状交付者総数の25万9751人で、ハンターが捕獲した鳥の総数が293万5684羽であったことと比べて、さーて、何を考えたらいいのでしようか。


【狩猟鳥と非狩猟鳥】
Q はーい、それでは、狩猟鳥の種類を教えてください。
A ハイ、はい。鳥獣保護・狩猟法は、環境庁長官が狩猟鳥獣を決定することとしており、狩猟鳥としては、平成6(1994)年6月1日の変更で、「ゴイサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ウズラ、コジュケイ、ヤマドリ、キジ、コウライキジ、バン、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス」の29種類になりました。
条文で知りたいという方のために説明しますと、第1条の4第1項に、「狩猟鳥獣以外の鳥獣は其の捕獲(殺傷を含む以下同じ)を為すことを得す」と規定されており、その第2項に、「狩猟鳥獣の種類は環境庁長官之を定む」とありましてね、この環境庁長官の定めが、「昭和53年環境庁告示42号(鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律第1条の4第2項の規定に基づく狩猟鳥獣の種類)」です。告示の内容は、「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正7年法律32号)第1条の4第2項の規定に基づき、狩猟鳥獣の種類を次のように定める。」と書き出して、鳥獣の種類としてゴイサギ以下の狩猟鳥29種が記載され、その次に「ノウサギ、タイワンリス、シマリス、クマ、ヒグマ、アライグマ、タヌキ、キツネ、テン(ツシマテンを除く。)、オスイタチ、ミンク、アナグマ、ハクビシン、イノシシ(イノブタを含む。)、シカ、ヌートリア、ノイヌ、ノネコ」と狩猟獣が記載されております。
 ということで、狩猟鳥として告示に記載されていない野鳥は、当然、非狩猟鳥ですね。


Q そうすると、狩猟鳥はどういう基準で決定されているんですか。
A 野鳥は原則捕獲禁止です。「狩猟」は、法律上娯楽として、鳥獣保護・狩猟法の「鳥獣の保護繁殖」と「有害鳥獣の駆除」という目的にマッチした範囲で存在しているものですから、例外的に野鳥の捕獲が許される場合である、「狩猟鳥」を決定する基準としては、野鳥の生息状況、農林水産業に対する益害の程度、狩猟対象としての価値(猟の楽しさ)等を考慮することになります。
 日本野鳥の会の「野鳥」誌の1994年5月号23頁に、最近の狩猟鳥の変更に関する記事が掲載されており、野鳥保護団体側の考え方が分かりますからご覧くださいね。


【野鳥の雛と卵】
Q このあいだ、友人から、「法律を読んでいたら、『非狩猟鳥の雛は捕獲しちゃいけない』という規定がないから、ボクの解釈では、取ってもいいんだと思うけど、知ってるかい。」と言われましたが、親鳥はダメで、雛は取ってイイなんて、そんな変な法律があるのですか。
A うぇー。鳥獣保護・狩猟法第2条のことですね。その解釈は、読み間違いですヨ、説明しましょう。
 第2条には、「狩猟鳥類の雛及鳥類の卵は環境庁長官の定むるものを除くの外其の捕獲又は採取(損傷を含む以下同じ)を為すことを得す」と規定されており、『狩猟鳥類の雛』と書いてあって、友人の言うように『非狩猟鳥の雛』のことが書かれていないから、そんな高級(?)な解釈ができるみたいですね。
 鳥獣保護・狩猟法は、野生鳥獣を捕獲してはならないという大原則を打ち立てており、第1条の4第1項に、「狩猟鳥獣以外の鳥獣は其の捕獲(殺傷を含む以下同じ)を為すことを得す」と規定されているという説明をしましたネ。そして、この条文は「狩猟鳥以外の鳥は其の捕獲を為すことを得す」と読めますから、非狩猟鳥の雛(つまり狩猟鳥以外の鳥)は、全部この規定に含まれて捕獲禁止です。
 問題は、この規定に入ってこない「狩猟鳥の雛」や「鳥の卵」ですね。鳥獣保護・狩猟法は、鳥類の保護繁殖のためには、外敵に対して自力で完全な行動のできない幼い鳥と卵については、特にその保護を図ってやることが必要だと考えて、第2条の規定を定めることとしたのです。そして、現在、環境庁長官の、捕獲・採取できる狩猟鳥類の雛や鳥類の卵の種類を定めがなされていないので、野鳥は雛も卵も、全面的に、捕獲・採取禁止なんです。


【狩猟の時期・期間】
Q 狩猟のできる時期や期間は、どうなっているのですか。
A はい。狩猟のできる時期や期間は、北海道とそれ以外の地域では、相違があります。
 鳥獣・狩猟法第8条の3第6項に、環境庁長官は狩猟鳥獣の保護繁殖のために、狩猟の期間を定めることができるという内容の規定があり、これを受けて、昭和54年環境庁告示47号が狩猟鳥獣の狩猟の期間を定めておりますが、北海道以外の区域では、基本が「毎年11月15日から翌年2月15日まで」で、「青森・秋田・山形の3県内におけるマガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ等のカモ類の狩猟は、毎年11月15日から翌年1月15日まで」となっております。
 北海道では、「毎年10月15日から翌年1月31日まで」です。


【狩猟の場所】
Q 野鳥観察中にハンターに出会い、「えっ、ここで狩猟ができるの」と思ったことがありますが、狩猟をしてはいけない場所を教えてほしいのだけど・・・。
A はい。その前に、法律Q&Aらしく(^_^)言葉の整理をしておきましょうね。
 鳥獣保護・狩猟法は、「狩猟」という言葉を「法定猟具を使用して鳥獣を捕獲すること」と理解していますから、言葉の意味としては、「捕獲」という言葉の方が「狩猟」より広いということになりますよね。例えば、手づかみで非狩猟鳥の野鳥を捕らえる場合は、「狩猟」でないけど、「捕獲」したことは確かです。
そんなことから、鳥獣保護・狩猟法第11条は、「狩猟」禁止ではなく「捕獲」禁止場所の定めをして、手厚く鳥獣を保護しています。
 その第1項に「左に掲くる場所に於ては鳥獣の捕獲を為すことを得す」とし、「鳥獣保護区、休猟区、公道、環境庁長官の指定する公園其の他之に類する場所、社寺境内それに墓地」を一般的に鳥獣捕獲禁止区域として明示しています。そのうち、「環境庁長官の指定する公園其の他之に類する場所」についてですが、昭和53年環境庁告示47号が具体的に指定していて、自然公園法の特別保護地区とか街の公園等です。
 次に、「捕獲禁止区域」といわれる制限もあります。特定の狩猟鳥獣の保護繁殖を図るために区域のほかに、期間とか猟法も禁止するもので、野鳥だけをみますと、
 ・メスヤマドリとメスキジ
   平成4年11月1日から平成9年10月31日まで、全国(その捕獲を目
  的に含む放鳥獣猟区の区域を除く。)の区域で捕獲禁止
 ・ヒヨドリ
   平成6年11月1日から平成16年10月31日まで、東京都小笠原村、
  鹿児島県名瀬市及び大島郡並びに沖縄県の区域で捕獲禁止となっています。
 また、「銃猟」については、特に危険を伴うことを考慮して、一層厳しい制限がなされいます。それが、知事指定の銃猟禁止区域・銃猟制限区域での銃猟の禁止・制限と市街地等の場所での銃猟の禁止です。
 なお、この銃猟については、銃猟の禁止されている時間があり、「日没後から日の出前まで」が禁止時間ですし、また、銃猟の禁止方向が定められており、「銃丸の達するおそれのある人畜、建物、汽車、電車又は艦船に向かって」銃猟することが禁止されています。


【狩猟の道具】
Q 狩猟の道具についても法律が定めていて、法定猟具というらしいのですが、それを教えてくださいね。
A 鳥獣保護・狩猟法は、狩猟免許ごとに猟で使用する「猟具」を限定するとともに、その第3条は、「狩猟鳥獣ハ(略)環境庁長官ノ定ムル銃器、網、罠其ノ他ノ猟具ヲ使用シテ(狩猟鳥獣ノ)捕獲ヲ為ス(略)」と定め、厳格に猟具を法定することにしています。
 そして、これを受けて、昭和53年環境庁告示44号(鳥獣保護・狩猟法第3条の猟具)が猟具を個別に列挙し、「銃器」は、「装薬銃、空気銃(コルクを発射するものを除く。)その他ガス力により弾丸を発射する銃器」、「網」は、「むそう網、はり網、つき網、なげ網」、「わな」は、「くくりわな、はこわな、はこおとし、とらばさみ」と定めております。


【捕獲数量】
Q 捕獲数量の制限はあるのですか。
A あります。
 鳥獣保護・狩猟法第1条の4第3項は、「環境庁長官又は都道府県知事は狩猟鳥獣の保護蕃殖の為必要と認むるときは狩猟鳥獣の種類、区域、期間又は猟法を定め其の捕獲を禁止又は制限することを得」と規定し、これを受けて、昭和53年環境庁告示43号(鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律第1条の4第3項の規定に基づく狩猟鳥獣類の捕獲(殺傷をふくむ。)禁止又は制限)が、「次の表の上欄に掲げる種類の狩猟鳥獣は、猟区の区域外においては、それぞれ、1日当たり同表の下欄に掲げる羽数又は頭数を超えて捕獲をしてはならない。」と定めて、捕獲数量の制限をしています。
 その表は以下のとおりです。
 (上欄)狩猟鳥獣の種類        (下欄)羽数又は頭数
  ヤマドリ、キジ及びコウライキジ 合計して2羽
  ウズラ 5羽
  エゾライチョウ 2羽
  コジュケイ 5羽
  マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、 合計して5羽(網を使用する場
  ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガ 合にあっては、狩猟期間ごとに
  モ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ス 200羽)
  ズガモ及びクロガモ
  バン 3羽
  ヤマシギ(アマミヤマドリを除く。)及びタシギ 合計して5羽
  キジバト 10羽
  シカ 1頭


【狩猟の方法】
Q 狩猟の方法にも制約があって、「猟法」の禁止とか制限があるそうですね。
A では、「爆発物等の使用禁止」から説明しましょう。
 鳥獣保護・狩猟法第15条は、危険防止を図るため、「爆発物、劇薬、毒薬、据銃又は危険なる罠若は陥穽を使用して鳥獣の捕獲を為すことを得す但し総理府令の定むる所に依り環境庁長官の許可を受けたるときは此の限に在らず」と規定しており、ダイナマイト、青酸カリや、一定の装置に触れると弾丸が発射される据銃、人がはまった場合自力で脱出できないとか、大ケガをするような「わな」や「おとし穴」を使って鳥獣を捕獲することは禁止されています。
 環境庁長官が許可した場合には使用できるわけですが、麻酔銃以外の捕獲手段については厳格な事前協議が必要とされています。
次は、「猟法の禁止」で、狩猟鳥獣の保護のために11種の猟法が禁止されています。前問にでてきた鳥獣保護・狩猟法第1条の4第3項ですが、繰り返して記載しますと、「環境庁長官又は都道府県知事は狩猟鳥獣の保護蕃殖の為必要と認むるときは狩猟鳥獣の種類、区域、期間又は『猟法を定め』其の捕獲を禁止又は制限することを得」と規定しており、これを受けた昭和53年環境庁告示43号が、「狩猟鳥獣は、次の猟法を用いて捕獲をしてはならない。」として、次のイからルまでの猟法を禁止しています。
 イ ノウサギ以外の狩猟鳥獣を捕獲するため、はり網を使用する方法(人が操
  作することによってはり網を動かして捕獲する方法を除く。)
 ロ 口径の長さが10番の銃器又はこれより口径の長い銃器を使用する方法
ハ 飛行中の飛行機若しくは運航中の自動車又は5ノット以上の速力で航行中
  のモーターボートの上から銃器を使用する方法
 ニ 構造の一部として3発以上の実包を充てんすることができる弾倉のある散
  弾銃を使用する方法
 ホ 装薬銃であるライフル銃(クマ、ヒグマ、イノシシ(イノブタを含む。)
  及びシカにあっては、口径の長さが5.9ミリメートル以下のライフル銃に
  限る。)を使用する方法
 ヘ 空気散弾銃を使用する方法
 ト わな(クマ及びヒグマにあっては、おし、はこわな及びくくりわなに限り、
  その他の獣類にあっては、おしに限る。)を使用する方法
 チ つりばり又はとりもちを使用する方法
 リ 弓矢を使用する方法
 ヌ キジ笛を使用する方法
 ル ヤマドリ(コシジロヤマドリを除く。)キジ及びコウライキジを捕獲する
  ため、テープレコーダー等電気音響機器を使用する方法
 というわけで、かすみ網は、「イ ノウサギ以外の狩猟鳥獣を捕獲するため、はり網を使用する方法(人が操作することによってはり網を動かして捕獲する方法を除く。)」により、その使用が禁止されるわけですね。


【野鳥観察に出掛ける前に】
Q 野鳥観察に出掛ける前に、鳥獣保護区、休猟区、銃猟禁止区域・銃猟制限区域、猟区などを調べておきたいのですが、そんな狩猟地図をどこで入手したらいいのか、教えてください。
A それは、ハンター向けの「鳥獣保護区等位置図」のことですね。
 各都道府県では、狩猟期の前に、その年の地図を制作してハンター全員に配付しています。「長野県鳥獣保護区等位置図(平成6年度版)」を例にしますと、大きな地図が畳まれており、表には、狩猟関係の一番基本的な項目として狩猟鳥獣の種類や捕獲数の制限、猟期間と注意事項、特に安全のため重要な事項は赤字で大きく書いてあります。地図を開くと、全県の地図に区域ごとの色分けがしてあり、鳥獣保護区、特別保護区、銃猟禁止区域、休猟区、猟区、日の出日没推定時刻、適用地域区分線、自然公園法第18条第1項の規定に基づく特別保護地区、郡界線等が、「保護区等の名称・所在地面積・期限」の一覧表とともに示してあります。
 ハンターへの注意事項から抜粋してみると、「狩猟者記章は胸部又は帽子につけなければならない」・「猟具の制限−はこわな及びくくりわなによるクマ・ヒグマの狩猟は禁止」・「昭和60年11月15日からテープレコーダー等電気音響機器を使用して、ヤマドリ、キジ、及びコウライキジを捕獲することが禁止となっております。」・「カスミ網による密猟防止を図るため、ツグミ等の保護鳥の密猟、料理飲食店等での売買等の違反情報を得た場合は長野県庁治山課又は地方事務所林務課までお知らせ下さい。」・「電話線付近での発砲はしないでください」・「連れてきた犬は必ず連れ帰ってください」・「狩猟道徳を忘れずに」・「水平撃ちはしない」・「矢先の安全確認」・「銃猟時間の確認」・「タマ込め、タマ抜きは、てまめに行なう」・「判別に自信のない鳥獣は捕らない」などと記載してあります。
 地図には、鳥獣保護区が140か所、銃猟禁止区域が105か所、休猟区が75か所あります。
 「鳥獣保護区等位置図」がどこで手に入るかということですが、元来ハンター向けで、必要の数だけ印刷・配付するものですから、「長野県鳥獣保護区等位置図」は野鳥保護のため必要なのでと貰ってきたそうですが、多分都道府県の鳥獣保護担当課では見せてもらえるだけでしょう。
 そこで、毎年改訂版を出すのですから、野鳥の会あたりが、ある程度の枚数の地図を購入して会員が入手できるようにするとか、思い切って画像化してCD−ROMにするとか工夫してみたいものですね。
 環境庁もそんな活きた予算要求をしてほしいナー。


《適法に野鳥を捕獲し得る場合その2・特別捕獲許可の法律知識》
【特別捕獲許可】
Q これまでの説明で、鳥獣保護・狩猟法が「狩猟」のほかに、第12条の「環境庁長官又は都道府県知事の許可を受けた場合」に限り野鳥を捕獲できることにしていることが分かりました。
 特別捕獲許可のあらましを教えてください。
A はい。まず、条文をみましょうね。
 第12条の第1項は、「学術研究又は有害鳥獣駆除の為其の他特別の事由に因り環境庁長官又は都道府県知事の許可を受けたる場合に於ては前数条の規定に拘らす鳥獣の捕獲又は鳥類の卵の採取を為すことを得」と定めております。
 その「前数条の規定」とは、言葉としては第1条から11条までの全条を指しますが、資料の条文を順次見ていただくと分かりますように、第1条の4、第2条、第3条、第4条、第11条などの鳥獣捕獲の規制を想定しているわけです。
 そして、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行規則が、その第29条に鳥獣保護・狩猟法第12条第1項の許可申請の手続き規定をおいております。
 こんな機会に、ムズカシそうな条文ですが、やはり読んでみるのも勉強になります。
 第29条 法第12条第1項の許可を受けようとする者は、申請書に鳥獣の捕
  獲をし、又は鳥獣の卵の採取(損傷を含む。以下同じ。)をする事由を証す
  る書面(以下この条において「証明書」という。)を添えて、これを次の各
  号に掲げる場合には都道府県知事に、その他の場合には環境庁長官に提出し
  なければならない。ただし、自ら飼養するため、鳥獣の捕獲をし、又は鳥類
  の卵の採取をする場合は、証明書を添えなくてもよい。
  一 駆除の目的でかすみ網を使用する方法以外の猟法を用いて狩猟鳥獣、カ
   ワウ、ダイサギ、チユウサギ、コサギ、トビ、ドバト、タイワンシロガシ
   ラ、ウソ、オナガ、サル、マングース又はノヤギの捕獲をしようとする場
   合
  二 駆除の目的で飛行場の区域内において航空機の安全な航行に支障を及ぼ
   すと認められる鳥獣の捕獲をしようとする場合
  三 駆除の目的でカルガモ、キジバト、ドバト、スズメ、ハシボソガラス又
   はハシブトガラスの卵を採取しようとする場合
  四 飼養の目的でかすみ網を使用する方法以外の猟法を用いてマヒワ、ウソ、
   ホオジロ又はメジロの捕獲をしようとする場合
  五 鳥獣又は鳥類の卵であって傷病その他の理由により緊急に保護を要する
   ものの捕獲又は採取をしようとする場合
 2 前項の申請書には、次の事項を記載しなければならない。
  一 申請者の住所、職業、氏名及び生年月日(申請者が法人の場合にあって
   は、住所、名称、及び代表者の氏名)
  二 捕獲をしようとする鳥獣又は採取をしようとする鳥類の卵の種類及び数
   量
  三 鳥獣の捕獲又は鳥類の卵の採取の目的、期間、区域及び方法並びに学術
   研究を目的とするものにあっては、研究の事項及び方法
  四 法第11条第1項各号に掲げる場所又は猟区内において鳥獣の捕獲をし、
   又は鳥類の卵の採取をしようとする場合にあっては、その旨
  五 申請者が法人の場合にあっては、鳥獣の捕獲又は鳥類の卵の採取に従事
   する者の住所、職業、氏名及び生年月日
  六 銃器を使用して鳥獣の捕獲をしをとする場合にあっては、当該銃器の所
   持について申請者(法人の場合にあっては、鳥獣の捕獲に従事する者)が
   現に受けている銃砲刀剣類所持等取締法第4条第1項第1号の規定による
   許可に係る許可年月日及び許可番号
 と、まあ、こんなもんです。


Q ムズカチイ。ほかには、もう、ないのでしょうね。
A いいえ。まだあります。鳥獣保護・狩猟法第12条第2項がありました。早速、条文です。
 第2項は、「環境庁長官又は都道府県知事前項の許可を為したるときは許可証を交付す此の場合に於て許可を受けたる者国、地方公共団体其の他環境庁長官の定むる法人なるときは許可証の外捕獲又は採取に従事する者たることを証する従事者証を交付す」という「従事者証」の規定です。
 そして、「環境庁長官の定むる」という部分が、「告示」ですが、次のような規定です。
 ○昭和54年環境庁告示30号(鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律第12条第2項
  の規定に基づく環境庁長官が定める法人)
  鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正7年法律32号)第12条第2項の規定
 に基づき、環境庁長官が定める法人を次のように定め、昭和53年7月環境庁
 告示第48号は、廃止する。
  農業協同組合、農業協同組合連合会、農業共済組合、農業共済組合連合会、
 森林組合、生産森林組合、森林組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合
 会
 こんなところですが、いろいろ難しくてすいません。でも、ご心配なく。次に、「学術研究」・「有害鳥の駆除」・「飼養許可」・「傷病その他の理由の緊急保護」に分けて説明しますから。


【学術研究】
Q では、「学術研究」を頼みますね。r A 鳥獣の生態、形態などの調査研究その他学術研究の用に供するために鳥獣を捕獲しようとする場合と説明されていますが、そういう「学術研究」のために、環境庁長官の許可を受けて、すべての鳥獣及び卵を捕獲・採取することができます。その捕獲などの方法は、一般的猟法によるものとされています。
 環境庁の「平成4年度鳥獣関係統計」で最近の実績をみますと、平成2年度には鳥類合計5193羽・卵類合計24個、平成3年度には鳥類合計8096羽・卵類合計680個、平成4年度には鳥類合計9113羽・卵類合計2176個という数字になっていました。


【有害鳥の駆除】
Q 次は有害鳥の駆除ですね。
A 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行規則第29条第1項の第1号から第3号までに、県知事許可の有害鳥駆除が定められています。
 第1号では、有害鳥駆除の目的で、かすみ網を使用する方法以外の猟法を用いて、狩猟鳥はもちろんですが、非狩猟鳥のうちでは、カワウ・ダイサギ・チユウサギ・コサギ・トビ・ドバト・タイワンシロガシラ・ウソ・オナガを捕獲できることを規定しています。
 第2号は、駆除の目的で、飛行場の区域内において航空機の安全な航行に支障を及ぼすと認められる鳥類の捕獲をしようとする場合です。
 第3号では、駆除の目的で、カルガモ、キジバト、ドバト、スズメ、ハシボソガラス又はハシブトガラスの卵を採取(損傷を含む。)しようとする場合を定めております。
 それ以外の鳥類や卵を駆除・採取する必要が生じたら、どうしましすか。そのときは、環境庁長官へ許可申請をするわけです。
 有害鳥の駆除についても、環境庁の「平成4年度鳥獣関係統計」を見ますと、平成2年度には鳥類合計135万5219羽・卵類合計3301個、平成3年度には鳥類合計131万7169羽・卵類合計4135個、平成4年度には鳥類合計128万3855羽・卵類合計4510個という実績でした。


【飼養許可】
Q そして飼養許可ですね。
A はい。一般に「愛がん飼養」と呼ばれている野鳥飼育の場合ですね。
 施行規則第29条第1項第4号に、「飼養の目的でかすみ網を使用する方法以外の猟法を用いてマヒワ、ウソ、ホオジロ又はメジロの捕獲をしようとする場合」とされている県知事の許可です。
 この愛がん飼養許可による捕獲鳥数は、環境庁の「平成4年度鳥獣関係統計」によりますと、平成2年度には4種合計1553羽、平成3年度には4種合計1238羽、平成4年度には4種合計1220羽でした。
 この許可により捕獲した4種の野鳥には、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行規則第30条で、鳥獣飼養許可証を1羽ごとに発行を受けることになっており、その有効期間は、発行の日から1年間で、更新できます。鳥獣飼養許可証の様式も定められており、鳥に装着するものは、「足輪」で、その形もきちんと定まっております。
念のために、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行規則をみておきましょうね。

 ○第30条 法第13条の飼養許可証(以下「鳥獣飼養許可証」という。)は、
   法第12条第1項の許可を受けて鳥獣の捕獲をした者の申請により1羽又
   は1頭ごとに発行する。
  2 法第13条に規定する鳥獣を譲り受けた者は、譲渡しのあった日から2
   週間以内に、管轄都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
  3 鳥獣飼養許可証の有効期間は、発行の日から1年とする。
  4 前項の有効期間は、申請により更新することができる。
 ○第57条 次各号に掲げるものの様式は、当該各号に掲げる様式とする。
  一〜九(省略)
  十 鳥獣飼養許可証 別記様式第7号
  十一〜十二(省略)
 ○様式第7号
  一 鳥に係る鳥獣飼養許可証
   1 申請者が保有するもの
   2 鳥に装着するもの(次表に掲げる区分のうちから都道府県知事が指定
    するもの)
   〔鳥の足輪の図がのっています。〕


【傷病その他の理由の緊急保護】
Q ほかにもありますか。
A 平成6年の改正で、施行規則第29条第1項に第5号が付け加えられ、「鳥獣又は鳥類の卵であって傷病その他の理由により緊急に保護を要するものの捕獲又は採取をしようとする場合」が新設されました。
 鳥獣保護センターのリストは、資料にあります。


《野鳥犯罪の法律知識》
【野鳥の密猟】
Q 「野鳥の密猟」という言葉をよく聞くけど、具体的にどんなことをイメージしておいたらいいでしょうか。
A はい。手許の岩波書店「広辞苑・第四版」で「密猟」を引いてみましたら、「禁制を破ってひそかに猟をすること。」と出ており、ついでに「禁制」を引くと、「ある行為をさしとめること。また、その法規。」とありますから、つまり「密猟は法律を破ってひそかに猟をすること」なんですね。
 ところで、法律を破ると犯罪と評価されますが、犯罪は「自然犯」と「行政犯」に区別されます。「自然犯」というのは、例えば窃盗のように、それ自体道徳的に悪いとされることですが、「行政犯」の方は、国家の政策上の必要から処罰規定が定められただけで、道徳とは無縁な行為を内容とする犯罪だと説明されており、同じく制裁としての刑罰が科せられるにしても、異なる理念に立脚した犯罪だと考えられているのです。
 野鳥の密猟はどちらの犯罪でしょうか。野鳥密猟は、鳥獣保護・狩猟法の第1条の、「鳥獣の保護蕃殖(有害鳥獣の駆除及危険の予防)を図」る目的のために、この目的に反する行為を禁止するに止まっていて、今までは、「行政犯」の方だとされてきました。
 実はここに私たちが考えておかねばならない大きな問題があるように思います。それは、「野生鳥獣は無主物で先に捕ったものの所有になる」という基本的な考え方があり、そこから「行政犯」だという考え方が導かれているということです。しかしもう既に、「野生鳥獣は国民みんなの共有財産である」という考え方に変換すべき時期が到来していると言うべきですよね。
 そうとすると、これからは、野鳥密猟は道徳的にも悪いこと、つまり「自然犯」だと理解して、その立場から対処すべきものだということになります。
 どうですか。野鳥の密猟に対しては、こういうイメージで立ち向かうことが大事だと思いませんか。


Q それでは、野鳥犯罪の類型とその罰則のあらましを教えてください。
A 何事も基本が肝心ですよね。
 そこで、鳥獣保護・狩猟法の罰則規定を丹念に見ておこうと思って、資料にある鳥獣保護・狩猟法の条文から、罰則規定の中で、懲役刑のある条文を検討するために、抜き出してみました。
 懲役刑のある条文は、2か条あり、第21条が1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を定めていますし、第22条が6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金としていますが、次のとおりです。

 「第21条 (1)左の各号の一に該当する者は1年以下の懲役又は50万円以下
   の罰金に処す    1 第1条の4第1項、第2条、第3条、第11条第1項、第15条、第
    16条又は第20条の2の規定に違反したる者
   2 銃猟禁止区域に於て銃猟を為したる者
   3 詐欺の行為を以て狩猟免許若は其の更新、登録又は第12条第1項の
    許可を受けたる者
  (2)前項第1号又は第2号の犯罪の用に供したる物件及其の犯罪に因りて得た
   る猟獲物にして犯人の所有するものは之を没収す」
 「第22条 左の各号の一に該当する者は6箇月以下の懲役又は30万円以下
  の罰金に処す
   1 第8条の3第7項、第11条第2項、第13条、第13条の2、第1
    9条の3又は第20条の規定に違反したる者
   2 第1条の4第3項の規定に依る禁止又は制限に違反したる者
   3 狩猟者登録証、第12条第2項の許可証若は従事者証又は第13条の
    飼養許可証を他人に使用せしめたる者
   4 他人の狩猟者登録証、第12条第2項の許可証若は従事者証又は第1
    3条の飼養許可証を使用したる者」
 なお、罰則で「罰金」だけが定めている条文もあり、第22条の2が「30万円以下の罰金」を定めていますし、第23条が「20万円以下の罰金」を定めておりますが、それは、説明の都合で省略します。いずれも、割合に軽易な手続違反の事件ですね。
 六法全書には、懲役刑のある条文はこのように記載されておりますが、難しいですから、バード法律事務所の流儀で、勝手に(?)整理してみましょう。
 そんなわけで、FBIRD専用の「罪名」を作って説明しましょう。
 第21条の「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」の事件は、この法律の中で重く処罰される事件ですから、「密猟」とか「違法」といった観点を強調して、
 ア 野鳥密猟罪(第1条の4第1項の違反)
 イ 雛・卵密猟罪(第2条の違反)
 ウ 無登録密猟罪(第3条の違反)
 エ 禁止場所密猟罪(第11条第1項の違反)
 オ 危険物使用密猟罪(第15条の違反)
 カ 禁止時間等違法銃猟罪(第16条の違反)
 キ 違法輸出入罪(第20条の2の違反)
 ク 禁止区域内違法銃猟罪(第21条第1項第2号)
 ケ 狩猟免許等詐欺取得罪(第21条第1項第3号)
と命名(?)してみました。
 第22条の「6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金」の事件は、第21条より軽く処罰される事件ですから、少し軽い感じにして、
 コ 狩猟期間外捕獲罪(第8条の3第7項の違反)
 サ 制限区域内不正銃猟罪(第11条第2項の違反)
 シ 野鳥不正飼養罪(第13条の違反)
 ス ヤマドリ等不正販売罪(第13条の2の違反)
 セ かすみ網不正所持罪(第19条の3の違反)
 ソ 野鳥密売買罪(第20条の違反)
 タ 狩猟鳥類不正捕獲罪(第1条の4第3項の違反)
 チ 狩猟免状不正使用罪(第22条第3・4号)
ということにしましょう。
 条文の文章が片仮名書きの「いぶし銀(^_^)」のような渋い規定なものですから、なかなか理解し難いのですが、でも、こうやってそれぞれの特長を掴んで整理をし、罪名を付けてやると、FBIRDの仲間の目の前で密猟されて、永遠の生命の世界へ羽ばたいて消えていった野鳥たちが見えて来るような気がします。


Q 野鳥犯罪・事件は、毎年多数発生しているんですか。
A 現在のところ最新の統計書の環境庁「平成4年度鳥獣関係統計」の「鳥獣保護及び狩猟に関する法令違反状況」によりますと、47都道府県の野鳥犯罪総数は、平成2年度216件、3年度208件、4年度178件だそうです。
「密猟」という事件の性質上、事件をなかなか発見し難いので、この種事犯の実態を把握することは困難ですが、上の数字だけから見ても、相当の違反実態がうかがわれる犯罪であることは明らかでしょうね。


Q 裁判の結果はどうなっていますか。
A 同じ「平成4年度鳥獣関係統計」で、「鳥獣保護及び狩猟に関する法令違反状況」の裁判結果を見ますと、平成2年度は罰金刑110件・総数110件、3年度は懲役刑3件・罰金刑97件・総数100件、4年度は懲役刑2件・罰金刑88件・無罪2件・総数92件という結果でした。
 圧倒的に罰金刑による処罰が多いようですが、最近の自然環境保全への人々の願いに耳を傾けてみますと、「野鳥密猟は道徳的にも悪いこと、つまり『自然犯』だと理解して、その立場から対処すべきものだ」という考え方が受け入れられるにつれて、野鳥犯罪に対し、懲役刑による処罰を求める声が次第に高まっていくことでしょうね。


Q 裁判ではどんなことが問題になっていますか。
A 裁判では様々な事柄が主張され、なかには「そんな勝手なことを言って・・」と思われることもありますが、鳥獣保護・狩猟法の裁判で大きな問題となっているのは、「捕獲」という文言の意味付けの問題です。
 つまり、鳥獣保護・狩猟法の規定には「捕獲」という文言が使われていますが、現実に獲物の野鳥を入手していない場合であっても、「捕獲」の罪が成立して刑事責任を負わなければならないのかということが、裁判上の問題となっています。
 ところで、司法つまり裁判制度は、一審の簡易裁判所・地方裁判所、控訴審の高等裁判所、上告審の最高裁判所と三審制をとっておりますから、最高裁判所の裁判つまり「判例」が最重要ですが、鳥獣保護・狩猟法については、平成8年2月8日言渡しの最新ホヤホヤの最高裁第1小法廷の判決までで、3個の判例があります。
 鳥獣保護・狩猟法の最高裁判例は、次のような事例です。
まず、第1の判例の昭和53年2月3日第3小法廷決定のケースは、熊が出没すると聞いてハンターが「据銃」をしたところ、この「据銃」に熊ではなく、アケビ採りの子供2名が撃たれて大怪我をしたのですが、「危険物使用密猟罪(第15条の違反)」が成立するかが問題になりました。
 次の昭和54年7月31日第3小法廷決定のケースは、公道上から公道外のカモに向けて猟銃を発射したところ、弾丸は狙ったカモに命中しなかったのですが、警察官に目撃されて検挙されたという場合で、「禁止場所密猟罪(第11条第1項の違反)」が成立するかという問題です。
 最新ホヤホヤの第3の判例のケースは、クロスボウと矢を携えて河川敷に出かけ、マガモとかカルガモに向けて矢4本を射たが、いずれも命中しなかった場合ですが、「狩猟鳥類不正捕獲罪(第1条の4第3項の違反)」の弓矢を使用する方法による「捕獲」に当たるかという問題になりました。
 さーて、以上の3ケースで、どれが、処罰されると思いますか。
 最高裁は、「据銃」のケースでは、「狩猟のため据銃をすること自体によっても、第15条違反の罪は成立する。」と判断し、有罪にしました。
 次の、公道からの銃発射のケースでは、「第11条にいう捕獲とは、鳥獣を自己の実力支配内に入れようとする一切の方法を行うことをいい、鳥獣を現実に自己の実力支配内に入れたか否かを問わない。」と判断し、このケースも有罪にしました。
 3番目の洋弓銃(クロスボウ)で矢を射かけたケースでは、「食用とする目的で狩猟鳥獣であるマガモ又はカルガモをねらい洋弓銃(クロスボウ)で矢を射かけた行為について、矢が外れたため鳥獣を自己の実力支配内に入れられず、かつ、殺傷するに至らなくても、『狩猟鳥類不正捕獲罪(第1条の4第3項の違反)』の弓矢を使用する方法による『捕獲』に当たる」と判断し、これも有罪になりました。
 そうすると、「捕獲」という文言は何か曖昧な言葉のように思われる人もあるかも知れませんね。実は、クロスボウの判例に、一人の裁判官が「補足意見」を付加しています。その要点は、「捕獲という言葉は、その文理上の意味では普通捕らえようとして取り逃がした場合を含まないとされるだろう。しかし、捕獲行為自体の危険性に着目すると、法が禁止している趣旨から捕獲行為そのものも禁止されていると解すべき場合がある。このクロスボウのケースはそういう場合である。捕獲には、当然に捕獲行為が含まれるかのような一部の行政解釈や学説がみられるので、あえてこの補足意見を付言する。」というものですが、この法律Q&Aではそういうことにも十分に気を付けておりますので、よろしく。


Q こんなケースはどうですか。
 公園の池の湿地の中にトラバサミが仕掛けてあったので、私は、この池のカモかなんかの野鳥を狙ったナと考えて、野鳥が捕獲されないようにと、撤去して捨ててしまいました。こんなとき、この処置でよかったのでしょうか。
A 「トラバサミ」という「わな」そのものは、鳥獣保護・狩猟法の猟具としてノウサギ・タヌキ等を捕るのに使われているものですが、公園の池に仕掛けたというのですから、密猟者の仕業ですよね。仕掛けただけで、「トラバサミ」には目指す野鳥のカモが掛かっていないようですが、その仕掛け行為が「捕獲」という犯罪になるのかという問題ですね。
 最高裁の判例を基準にして考えてみると、公園に「トラバサミ」を仕掛けたケースは「禁止場所密猟罪(第11条第1項の違反)」に当たりそうですね。そうなると、そんな犯人は、ひっ捕らえて処罰しなければならないわけですが、肝心の「トラバサミ」を撤去してしまうと、大事な証拠がなくなったことになりますし、仮に違法行為に関係していたとしても、他人の所有権は尊重されるべきです。
 そこで、この場合は都会のケースのようですから、一般的な犯罪捜査権限のある警察、特に付近の交番の警察官に通報するのがいいでしょうね。警察を市民サイドの警察に育てることも、市民として大いに心掛けなければならない事柄ですからね。


Q 密猟は現行犯だけしか事件にならないと聞きましたが、本当ですか。
A いいえ、そんなことはありません。
 密猟事件は、山や野での目撃者のいない事件が多く、被害を受けた野鳥についての専門知識が必要なので、従来、現行犯の場合しか摘発できない事件であると思われておりましたし、その上、「鳥の事件?ナーニ軽い犯罪でしょ。」という程度に考えられていたため、捜査側の熱意にも、不十分なものがあったようです。
 しかし、今では、愛鳥家の目撃者が多く、野鳥についての専門知識が普及しておりますから、もう、従来のような現行犯の場合しか摘発できないという考え方を捨てるべき時期に入ったわけです。
 野鳥たちと人間との共生の見地に立てば、非現行犯の事件についても、積極的な捜査活動を展開することが是非必要だと考えられるに至ったのですね。


【野鳥の密売買】
Q 野鳥の密売買は、どんな犯罪になるんですか。
A 野鳥密売買罪(第20条の違反)です
。  鳥獣保護・狩猟法第20条の条文を原文のまま書き出してみますと、「本法等ニ違反シテ捕獲ヲ為シタル鳥獣(其ノ加工品ニシテ総理府令ヲ以テ定ムルモノヲ含ム)又ハ採取ヲ為シタル鳥類ノ卵ハ之ヲ譲渡シ、譲受ケ、又ハ販売、加工若ハ保管ノ為引渡シ、若ハ其ノ引渡ヲ受クルコトヲ得ス」と定めてあり、その罰則規定が22条で、「左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ六箇月以下ノ懲役又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス」、「一 (中略)第二十条ノ規定ニ違反シタル者」となります。
 なお、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(平成4年法律75号。)の規定では、野鳥密売買罪は「1年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する」と、重く処罰されることになっています。


Q 密猟と密売買の関係は、どうなっているの。
A 密猟された野鳥を自由に売買できることにしておいては、結局、密猟の処罰の意味がなくなります。
つまり、違法に捕獲された野鳥の流通過程を規制することによって、密猟を防止し、併せて密猟による不法利得を取得させないようにして、鳥獣保護という目的を達成しようとするわけで、車の両輪のようなものです。
 そこで、密猟した上、捕獲した野鳥を密売した場合は、密猟の罪と密売の罪との両罪の処罰を受けることになります。


【野鳥の不正飼養】
Q 野鳥を飼育することが犯罪になる場合について教えてください。
A 法律が、ある行為を犯罪としている場合に、それが犯罪になる要件を「構成要件」と呼んで、犯罪になる行為をはっきりと定めておくわけですが、野鳥の不正飼養は第13条の違反ですから、これを頭に入れるために、まず、条文を見ておきましょう。
この罰則は、
 「第22条 左の各号の一に該当する者は6箇月以下の懲役又は30万円以下
   の罰金に処す
   一 (前略)、第13条、(後略)の規定に違反したる者
   二 (略)
   三 (前略)、第12条第2項の許可証若は従事者証又は第13条の飼養
    許可証を他人に使用せしめたる者
   四 (前略)、第12条第2項の許可証若は従事者証又は第13条の飼養
    許可証を使用したる者」
 ですが、この構成要件は、「第13条の規定に違反したる者」は「6箇月以下
 の懲役又は30万円以下の罰金に処す」となりますね。
  そこで、第13条をみると、
 「第13条 前条第1項の規定に依り捕獲を為したる鳥獣(狩猟鳥獣を除く)
   は総理府令の定むる所に依り都道府県知事の発行する飼養許可証と共にす
   るに非ざれば之を飼養し、譲渡し、又は譲受くることを得ず但し同項の許
   可に附したる有効期間満了後30日以内に於て飼養する場合は此の限に在
   らず」
 という規定ですから、まず、「特別捕獲許可により捕獲した野鳥を飼養許可証と共にしないで飼養、譲渡、譲受」する犯罪と理解してください。


Q あれー。私たちの感覚では、野鳥を密猟してきて、その密猟鳥を飼うことが、野鳥不正飼養という犯罪だと思うんですけど・・・。
A そういう疑問が出るだろうと思って、前問で、少し回りくどく説明したんですよ。
 野鳥を密猟してきて、その鳥を飼うことは、元来、「野鳥密猟」という犯罪として評価された行為の「結果」のようなものですから、その密猟鳥を飼養している部分だけを取り上げて、独立した犯罪として処罰されるものではないのですね。そうやって飼われている野鳥は、密猟という犯罪の証拠品になるわけですね。


《野鳥犯罪取締り・捜査の法律知識》
【鳥獣保護・狩猟法違反の取締り・捜査態勢】
Q 鳥獣保護・狩猟法違反事件が発生したときの取締り・捜査態勢は、どうなっているのですか。
A 鳥獣保護・狩猟法は、この法律やこれに基づく都道府県規則に違反した犯罪・事件が発生した場合、まず、行政サイドの担当者が第一次的に処理に当たることにしています。

(鳥獣保護・狩猟事件の特別警察官)
 それは、行政サイドの担当者が本来の職務執行の際に犯罪を発見することが多く、その専門的な知識を活用することにより的確で効率的な捜査が期待できる場合があるので、捜査のプロとしてどんな犯罪についてでも捜査を担当している「一般警察官」に対し、鳥獣保護・狩猟事件の「特別警察官」として活躍することが期待されているわけです。
 その「特別警察官」は、鳥獣保護・狩猟法第20条の4に基づき、「狩猟取締りの事務を担当する都道府県吏員」の中から指名され、正式には「特別司法警察職員」という名称の力強い職員です。

(鳥獣保護員)
  そのほかに、「鳥獣保護員」もあります。この「鳥獣保護員」は、鳥獣保護・狩猟法第20条の5が、鳥獣保護事業の実施に関する事務を補助するため非常勤の「鳥獣保護員」を置くことができるものとしておりますが、これを受けて都道府県知事が各市町村に1名位の割合で委嘱し、全国では約3200名もの方に活躍してもらっております。
 野鳥の会の支部によっては、会員には、「鳥獣保護員」に連絡することとしている支部もあるようですが、「特別警察官」と違って、この「鳥獣保護員」は、「狩猟取締りの実施、鳥獣保護区などの管理、鳥獣に関する諸調査、鳥獣保護思想の普及啓蒙等」の職務を担当しており、犯罪捜査をする権限を与えられていないので、直ちに捜査というわけにはいきませんから、この点を心得ておいたらよいでしょうね。


【犯罪・事件の通報先】
Q 野鳥観察者としての私たち市民が、「個人レベル」で、犯罪・事件に対応する場合の通報先は、どこになるのですか。
A 野鳥犯罪が発生した場合、行政サイドの担当者が第一次的に処理に当たることになっています。

(対応その1:行政ルート)
 そこで、まず、都道府県の鳥獣保護担当課に通報することですね。これを、私たちのこの「野鳥観察の法律Q&A」では、「対応その1:行政ルート」と呼ぶことにいたしましょう。
 行政ルートの通報・連絡先の一覧は、資料にありますから、ご利用ください。

(対応その2:警察ルート)
 次に、一般の警察官はどんな事件でも捜査しますから、警察へ通報するのが、むしろ普通のことかも知れませんね。これを、「対応その2:警察ルート」と呼びましょう。
(対応その3:告発ルート)
 ところで、ここに一つの問題があるんです。それは、私たち市民が、野鳥犯罪を目撃し、早速、「対応その1:行政ルート」や「対応その2:警察ルート」に従って捜査協力を申し出ても、従来、行政もそうですし、警察でも、すぐには立ち上がってくれず、そのうちに犯人に逃げられたり、うまく言い逃れたりして悔しい思いをすることが多かったのですね。
これではならじとばかりに、捜査機関が必ず事件を受理して捜査を推進してくれる方策を講ずるために、刑事訴訟法が「告発」という制度を定めているので、この告発を活用することが考え出されたのですね。これを、「対応その3:告発ルート」と名付けましょう。

(対応その4:市民運動ルート)
 さて、野鳥犯罪に立ち向かう方策として、以上の3ルートで十分でしょうか。
 私たちは、ただ犯罪者を処罰すれば済むとは考えません。野鳥犯罪を、「源から、断ち切りたい」のですね。そのためには、社会に広く根ざした、市民による市民のための運動が必要だと考えるわけです。これを、「対応その4:市民運動ルート」と呼びましょうね。
 市民運動ルートの通報・連絡先の一覧も、資料にありますから、ご利用ください。
その具体的な内容としては、
 ア 行政・警察の対応が不十分なときには、さらに、「証拠写真等を添えて、
  保護団体から対応してもらうようにするとか、新聞・テレビ等のマスコミの
  協力を求めるとか、法律関係のフォーラムに相談してみる」等のことも考慮
  すること。
 イ 「全国野鳥密猟対策連絡会」のような活動を展開すること。
ウ 野鳥誌の記事(1994年5月号34・35頁)は、行政・警察・市民が
  協力する徳島県の「徳島県密猟防止対策会議」を紹介していますが、こうい
  うネットワークを、各都道府県に作り、全国的な活躍の輪を広げること。
等を考えてみたいと思います。
 野鳥観察者としての私たち市民が、犯罪・事件に対応する場合の通報先として考えてみると、「個人レベル」で、現行法の範囲内でもこんなにたくさんあるのですね。


【捜査の手続のあらまし】
Q 捜査が開始されてからの、手続のあらましを教えてください。
A 犯罪捜査の手続について定めている法律は、「刑事訴訟法」ですが、野鳥犯罪の目撃から、捜査が開始され、次第に捜査が進展していく、手続のあらましは次のようになっています。
(事件目撃と通報)
 さあ、野鳥観察中に野鳥犯罪を目撃しました。
 早速、私たちの「対応その1:行政ルート」で、行政サイドの第一次的担当者である都道府県の鳥獣保護担当課へ通報したり、「対応その2:警察ルート」で、一般の警察官へ通報しましょう。
 ところで、こんな民間人からの通報について、「刑事訴訟法」の条文にはどう書かれているでしょうか。六法全書は立ち読みに限ると思い立って、書店へ行ってみました。アレレ、「刑事訴訟法」には、目撃者からの「通報」のことには、何の具体的な規定もないんですね。
 それは、法律の規定というものは、大きな「網」のようなものですから、必要なことが必要な限度で定められてあればそれで十分だという考え方に基づいて、刑事訴訟法第189条第2項は、「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。」と規定し、捜査というものは、捜査機関が犯罪の発生を何らかの方法で知ったときに開始されることを一般的に定めているわけで、何か特別に規定する必要な事柄についてだけ、具体的な規定をおくことにしているからなんですね。
(告発)
 さて、私たちが、悔しい思いをしてきたのは、行政も警察も全然立ち上がってくれないことでしたよね。
 市民こそ法治国家の主人公なのに、その誠実な犯罪目撃の通報を握り潰すとは何事かいというわけで、「対応その3:告発ルート」として、刑事訴訟法第239条により、市民の側から必ず捜査を開始するように求めているんですね。
 ただ、ここで留意しておきたいことは、告発は、被疑者に対して処罰を望むという意思の表示ですが、捜査では、事情聴取や現場検証の立会いなどの誠実な捜査協力が求められますし、違法・不当な告発に対しては、誣告や名誉毀損等の犯罪問題とか民事上の損害賠償請求等の告発者側に重い責任も生じますので、「告発の重み」を考慮する必要があります。
(任意捜査と強制捜査)
 捜査は、任意捜査が原則です。
 犯人を逮捕して取り調べるのは、「強制捜査」と言いますが、証拠を隠すとか逃亡するなどのおそれがある特別の場合に限って実施されるものです。
 とにかく、捜査が開始されますから、参考人として、よく事情を説明してやりましょう。
(送検と勾留)
 行政・警察の捜査が進行すると、事件は検察庁に送られます。マスコミ用語で「送検」と言われ、「書類送検」と「身柄付き送検」に分けていますね。
 「身柄付き送検」になると、検察官が取調べをしますが、直ぐ釈放しない場合は、世間で「検事拘留」と呼ばれている「勾留」の請求を裁判官に対して行います。
 鳥獣保護・狩猟法違反の各種犯罪は法定刑が軽い部類の犯罪ですから、「検事拘留」が認められるケースは実際上まれなことでしょうね。検察官は、仮に、まれなことであっても、その措置を採るべき事件に対しては敢然と立ち向かっております。
(起訴と不起訴)  そして、捜査が終結しますと、起訴か不起訴かの処分がなされます。
 起訴には、正式の裁判の手続と略式の罰金の手続がありますね。
(アタマの切り替え)
 これが手続のあらましですが、私たちの「対応その4:市民運動ルート」は、こんな法律の定めている手続が、スムースに進行するように、市民の側も意識を高めつつ、行政等のその立場にある人たちにアタマの切り替えを求めようとしているわけなんですね。


Q 野鳥犯罪の事件現場で、どんな行動をとればいいのかという、チャート図形式の「チェックリスト」があれば便利ですが、作れませんでしょうか。
A 皆さんの議論の中から、次第にできていくことでしょう。大いに、議論を盛り上げてくださいね。書き込みをお待ちしています。


《野鳥密猟者に出会った場面の法律Q&A》
【セイタカシギ射殺事件】
Q ある祝日に、外国人を含む友人たちと、セイタカシギを観察していたところ、そのセイタカシギ1羽を、ハンターが散弾銃で撃って殺してしまいました。公衆電話から110番で警察に通報しましたが、近くにパトカーがいれば行かせます程度の対応で、まじめに対応してもらえなかったのです。その間に、ハンターは、別のハマシギにも銃口を向け、これが飛び立ってしまうと、既にこと切れているセイタカシギに向けて更に3発の散弾を浴びせるという無法ぶりで、念のため、ハンターの乗って来たと思われるオートバイのナンバーをメモしておいたけど、このような場合の対応はどうすればよいのでしょう。
A この事件が、私たちのマニュアル作りのきっかけになったケースですが、実際にとられた対応策を検討してみましょう。
〈実際の対応策〉
1 付近の公衆電話から、「対応その2:警察ルート」で通報したのに対し、
  警察の態度は、祝日で警察官の配置が十分ではなかったにしても、どうも十
  分なものではなかったですね。その現場では、オートバイのナンバーをメモ
  しておいたほか、犯人を写真に撮影しておきました。
2 そして、「対応その4:市民運動ルート」で、野鳥の会の支部に連絡し、
  支部からも警察に捜査の要請をして、所轄警察署が鳥獣保護・狩猟法違反被
  疑事件として、事件捜査を開始しました(このQ&AのVer.1で、「告
  発」がなされたように記述しておりましたが、告発はなされておりませんで
  したので、訂正いたします)。
   その後、警察の任意捜査が実施されました。
3 捜査の結果、犯人は、目撃者が多数いたことやオートバイのナンバーが決
  め手となって犯行を認めたそうです。
   しかし、警察の説明では、犯人は、はじめはカモを撃ったと言っていたそ
  うですが、ともかく認めたものの、セイタカシギの死骸がなく、重要な証拠
  がないため、裁判で供述を翻されたら困るということで、その上、発砲した
  場所が狩猟可の場所と禁猟の場所との境目であるとかで、犯人の認識の点か
  らみると、鳥獣保護・狩猟法で起訴するには、なかなか判断が難しいという
  警察としての判断を固め、銃砲刀剣類所持等取締法違反の猟銃の目的外使用
  の罪でしか送検できないという話でした。
 4 きたきつねさんは、その後、ある地方検察庁の支部に参考人として行って
  きたそうです。こんな状況だったそうです。
   「検察庁に行く前にハガキがきて、セイタカシギの密猟について話を聞き
  たいということが書いてあり、野鳥の会の支部報を持参して出掛けると、調
  室には、検察官と事務官が待っていました。
   事件の経過を簡単に確認されて、現場で見た鳥がセイタカシギであること
  に間違いないか、見間違うことはないか等の質問を受けたり、セイタカシギ
  の死骸を回収できなかったことの説明もしました。警察で調書を作成したと
  きに、証拠となるセイタカシギの死骸がないので、銃刀法だけの取締りにな
  ってしまうと説明を受けたことを話しますと、検察官は、死骸がなくても鳥
  獣保護・狩猟法での起訴はできるとのことでした。
   セイタカシギの死骸がないのですが、射殺された鳥がセイタカシギに間違
  いないという証言をし、処罰については、「日本版レッドデータブック」の
  希少種のセイタカシギを密猟したこと、近くに人家があり、野鳥を観察して
  いる人が近くにいるにもかかわらず、安易に射殺をしたことなどから、厳重
  な処罰を求めると言いました。事情聴取が終わってからの雑談で担当検察官
  が野鳥に関心を持っていることを知りました。」
5 その後、検察庁の処分が行われました。
   犯人は57歳の男性で、狩猟と標的射撃のために散弾銃の所持許可を受け
  ている者ですが、「セイタカシギ1羽を銃撃して捕獲するとともに用途外の
  目的で散弾銃を発射した」という犯罪事実により、「銃砲刀剣類所持等取締
  法違反」と「鳥獣保護・狩猟法違反」の二つの罪名で、高額の罰金刑(略式
  命令)に処せられ、セイタカシギを銃撃した散弾銃が没収になりました。鳥
  獣保護・狩猟法違反の事件は、検察庁が事件立件したそうです。
   この処罰により、もちろん狩猟の資格も失いますから、FBIRDの皆さ
  んが、心を合わせて求めた、そのとおりの刑事上の処罰が得られたわけです
  ね。

〈検討〉  1 警察の措置は、ちょっとナサケナイという感じがしますよね。
   本来なら、市民から貴重な捜査協力を受けたのですから、犯罪捜査のプロ
  の警察としては、直ちに警察官が現場に駆け付け、犯人を確保し、ときには
  逮捕して取調べをするとともに、セイタカシギの死骸や散弾銃を証拠物とし
  て収集し、犯行を目撃した人たちから事情を聴取するとか、もし犯人が逃げ
  たあとであっても、セイタカシギの死骸を証拠物として収集し、オートバイ
  のナンバーから犯人を特定するなど、積極的な捜査を展開すべきだったと思
  いますが・・・。
   だけど、警察のこのレベルが、野鳥犯罪に対する警察の通常のレベルなん
  ですから、これを手本にして、ガンバラナクッチャね。
 2 そこで、このケースでは、現場で声を出して犯人に非狩猟鳥を射殺したこ
  とを確認させておくこと、犯人の服装・風体・人相などをきちんと記憶(記
  録)すること、証拠物(射たれた鳥の死骸)を確保しておくこと、その写真
  を撮ること、全体の経過のメモを作っておくこと等が必要だったと反省され
  ておりますので、この点は、大いに参考にしてください。
 3 かすみ網問題と同様に、こういう個別の事件でも、FBIRDの仲間の協
  力やマスコミの助力を求めるとか法律関係のフォーラムに相談する等も考え
  てみたいことでしょうね。
   FBIRDの仲間としては、市民レベルの積極的な活動を起こしたいと考
  えます。その際、市民と取締り側との対策ネットワーク作りが、今後の極め
  て有効な方策じゃないでしょうか。


【コミミズク射殺事件】
Q あるフィールドへコミミズクの観察に行きましたが、なんと、私の目の前でそのコミミズクが空気銃で射撃され、自動車のトランクに詰め込まれて連れ去られてしまいました。
 ナンバープレートをスコープで確認して書き留めたものの、証拠隠滅のために殺されるんじゃないかと頭の中に浮かんできて、自動車を引き留めることが出来ませんでした。そのうちに、野鳥観察の仲間が来て、警察へ連絡した方がいいということになり、管轄の警察署へ電話をしました。警官から、「あいにく夜勤の体制になってしまいました。野鳥の密猟ではすぐに緊急配備をしたり、家宅捜索をしたりはできないのですが・・。」みたいな説明があり、仲間が抗議の電話をしましたが、ともかく自動車のナンバーから人物の割り出しができた様子でした。
 翌日、また現場で犯人の自動車を見掛けたので、警察へ通報すると、パトカーと覆面パトカーの2台が来てくれましたが、犯人は姿を消した後でした。そして、何か手掛かりになるものをと探し回り、弾丸・血痕・羽等は何一つ見付けられませんでしたが、偶然傷ついたコミミズクを見つけ、すぐさま、動物病院へ運びました(結局、死にました)。
 こんな、狩猟期外に、空気銃を発砲し、非狩猟鳥のコミミズクを射って持ち帰った場合、その処罰は軽い罰金刑なのだろうか、銃は没収されないのかなどについて教えてくださいネ。
A この事件では、警察の捜査と野鳥の会関係者の懸命な活動とがうまく連携できて間もなく犯人逮捕という結果をみましたので、実際にとられた対応策を検討してみましょう。
〈実際の対応策〉
1 「対応その2:警察ルート」で通報したのに対し、当初夜勤体制のため、
  十分な初動捜査にはなりませんでしたが、警察捜査はセオリーどおりに進行
  しており、一方野鳥の会支部では「残ったコミミズクを守れ!」を合い言葉
  に、現場のパトロールに出ており、警察と市民の連携が着々と進展しました。
 2 「対応その1:行政ルート」の行政担当者は、事件捜査に関与せず、密猟
  事件の参考人として協力願っただけでした。
3 警察の現場パトロール強化の結果、1週間後、犯人が空気銃を自動車に積
  んで現場に現われたところを、警察が銃砲刀剣類所持等取締法違反の現行犯
  人として逮捕し、鳥獣保護・狩猟法違反事実とともに、「身柄付き送検」に
  なり、次に、検察官が、取調べをした上、裁判官に対し「勾留」の請求を行
  いましたが、勾留請求については裁判官が認めなかったそうです。でも、数
  日間は身柄拘束されて、厳重な取調べを受けたわけですね。
 4 そして、捜査が終結して、法律上最高額の罰金刑(略式命令)を受けたほ
  か、空気銃と証拠物の死骸については、法律が必ず没収することを命じてお
  りますので、いずれも没収になったそうです。
   鳥獣保護・狩猟法違反事実で、逮捕されて処罰されたことは、大きな意味
  を持ちますね。
〈検討〉
 1 このケースは、警察と市民の連携の良い事例でしょうね。捜査の急展開か
  ら、行政との連携の必要な場面がなかったそうです。
 2 ここでも、市民と取締り側との対策ネットワーク作りが、今後の極めて有
  効な方策じゃないだろうかと考えられますね。
   早速、このケースの成果を基盤として、行政と警察、それに市民側の野鳥
  の会の支部・鳥類保護連盟の支部・猟友会を結集したネットワークが作られ
  たとか・・・。野鳥たちのために、喜びたいものですね。

【かすみ網による密猟】
Q 第二次大戦後、かすみ網猟が禁止されたそうですが、どんな経過だったのですか。
A 戦後の昭和21年、GHQの野生生物科長であったオースチン博士が、日本中を視察し野生鳥獣が極めて少ないことに驚き、保護の徹底と狩猟の規制を強く日本政府に指示したそうです。昭和22年には日本鳥類保護連盟が結成されて、毎年4月10日を愛鳥日(バードデー)と定められましたが、そのような背景のもとに、昭和22年9月に、かすみ網猟の禁止を含む狩猟法施行規則の改正が行われました。
 この改正の主要な点は、
 ア 狩猟鳥の種類を46種から21種にしたこと
 イ これを受けて、かすみ網との関連で問題となっていた、ツグミ・カシラダ
  カ・アトリの3種が、狩猟鳥から除かれたこと
ウ 狩猟期間を1か月短縮したこと
 エ かすみ網を法定猟具から除き、野放しであった普通の空気銃を法定猟具に
  加えて規制し、狩猟鳥のわなによる捕獲、飛行機・自動車・モーターボート
  からの捕獲等を禁止したこと
オ 主な狩猟鳥について、1人1日当たりの捕獲数を制限したこと
 などでした。


Q その改正時のかすみ網の禁止について、もうちょっと詳しく教えてください。
A はい。「網」とか「わな」を使用して狩猟をする免許は甲種狩猟免許ですが、それまでの狩猟法施行規則は、甲種狩猟免許の猟具としての「網」について、「無双網、かすみ網その他の張り網、突き網及び投げ網」と定めてあり、「かすみ網」の使用を許していたのですね。
昭和22年9月の狩猟法施行規則の改正で、「かすみ網その他の張り網」が「カモ用張り網」と改められ、これにより「かすみ網」の使用が禁止されることになったわけです。


Q そうなると、まず占領軍の政策だったわけね。その後、市民の動きはどうなっていくのかなー・・・。
A 児童文学者遠藤公男氏の「ツグミたちの荒野」(講談社刊)には、かすみ網猟の禁止後も相変わらず「かすみ網」で密猟が続けられていた様子ばかりでなく、「カモ用張り網」でいろいろな鳥類を捕獲したり、有害鳥類の駆除だと偽ってツグミ猟をしていた実情が書かれておりますね。
 しかし、心ある人たちは、隠れ蓑となっている「張り網」を禁止せよと、運動を起こし、やがてこれも法定猟具から除かれるようになりました。そして、平成3(1991)年に、それまでの使用の禁止に加えて、かすみ網の「販売、頒布、捕獲目的の所持」が禁止され、同時に「輸出貿易管理令」も改正されて、かすみ網の輸出も原則的に禁止されるという画期的な鳥獣保護・狩猟法の改正に結実したのですね。


Q かすみ網による密猟事件とその対策を教えてください。
A 現在では、かすみ網は、使用の禁止とともに、かすみ網の「販売、頒布、捕獲目的の所持」も禁止されます。
 かすみ網の禁止については、その条文が、法律に不慣れな人にとって必ずしも明快ではないので、条文をみておきましょう。
 まず、その使用禁止についての狩猟鳥類不正捕獲罪(第1条の4第3項の違反・6箇月以下の懲役)です。
 第1条の4第3項は、「環境庁長官又は都道府県知事は狩猟鳥獣の保護蕃殖の為必要と認むるときは狩猟鳥獣の種類、区域、期間又は猟法を定め其の捕獲を禁止又は制限することを得」と規定しています。
 そして、これを受けて、昭和53年環境庁告示43号(鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律1条の4第3項の規定に基づく狩猟鳥獣類の捕獲(殺傷をふくむ。)禁止又は制限)がありますが、その3号に「狩猟鳥獣は、次の猟法を用いて捕獲をしてはならない。『イ ノウサギ以外の狩猟鳥獣を捕獲するため、はり網を使用する方法(人が操作することによってはり網を動かして捕獲する方法を除く。)』と定めておりますから、野鳥については、かすみ網は全面的に使用禁止されていることが分かります。
 なお、念のためですが、非狩猟鳥をかすみ網で捕獲した場合は、そもそもその対象とした野鳥が非狩猟鳥ですから、重い処罰が予定されている、野鳥密猟罪(第1条の4第1項の違反・1年以下の懲役)に当たるわけです。
次は、かすみ網の販売、頒布、捕獲目的の所持の禁止に関する、かすみ網不正所持罪(第19条の3の違反・6箇月以下の懲役)です。
 その条文は次のとおりです。
 第19条の3 (1)第1条の4第3項の規定に依り猟法として環境庁長官の定む
  る所に依り使用することを禁止せられたる網又は罠にして構造、材質、使用
  方法等を勘案して鳥獣の保護蕃殖に重大なる支障ありとして環境庁長官の定
  むるもの(以下特定猟具と称す)は鳥獣の捕獲の用に供する目的を以て之を
  所持することを得ず但し第12条第1項の許可を受けたる者(同条第2項の
  従事者証の交付を受けたる者を含む)其の許可を受けたる所に従ひ鳥獣の捕
  獲の用に供する目的を以て所持する場合は此の限に在らず
   ○平成3年環境庁告示32号(鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律19条の3第
    1項の規定に基づく特定猟具)
    鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正7年法律32号)19条の3第1項
   の規定に基づき、特定猟具を次のように定める。
    かすみ網(はり網のうち棚糸を有するものをいう。)
 (2)特定猟具は之を販売し又は頒布することを得ず但し第12条第1項の許可を
  受けたる者に其の許可に係る特定猟具を販売し又は頒布する場合及輸出せら
  れるべき特定猟具を総理府令の定むる所に依り予め環境庁長官に届出でて販
  売し又は頒布する場合は此の限に在らず
 ということで、かすみ網に関する事件は、もちろん、犯罪ですから、行政・警察に届けて捜査をしてもらうことになります。そこで、野鳥犯罪に立ち向かう各ケースごとの通報先を踏まえて、野鳥観察者である私たち市民が、「個人レベル」で、このかすみ網問題にどう対応したらいいかについて、検討してみましょう。
〈通報の前に〉
 1 かすみ網と農業者が鳥類の被害から守るために使用している「防鳥網」と
  は違うこと、つまりかすみ網であることを十分に確認しましょう。
   ただ、ここでいう「防鳥網」は、本物の「防鳥網」のことですから、念の
  ため付け加えておきますネ。
 2 設置場所を確認し、証拠資料として、その状況の写真を撮る。
   なお、写真があれば、捜査の立ち上がりが素早いでしょうが、その写真が
  捜査開始のために、絶対提供しなければならないというわけのものではあり
  ませんので、これも念のためネ。
 3 仕掛けられているかすみ網は、犯罪の重要な証拠物ですし、不法な物でも
  他人が勝手に処分できないので、原則的には、そのままにしておかなければ
  ならないので、また念のためネ。
〈対応その1:行政ルート〉
1 すぐに、都道府県の鳥獣保護担当課(「特別警察官」)に通報して捜査を
  開始してもらう。
2 「鳥獣保護員」に連絡して、鳥獣保護担当者・特別警察官へ通報するよう
  にする。
 3 通報は、その場の状況に応じて、電話など適宜な方法によるわけですね。
〈対応その2:警察ルート〉
 1 野鳥犯罪が発生した場合、行政サイドの担当者が第一次的に処理に当たる
  ことになっていますが、目の前に犯人がいるような場合には、実力行使に慣
  れている一般の警察官が、その際の通報先としてはベターですよね。
そこで、そんなときは、110番通報をするなりして、警察官の出動を要
  請しましょう。
 2 私たちの経験では、警察の出動はスムースでないのですね。
   だけど、野鳥たちのために、根気よく誠意をもってやりましょう。
 3 捜査が開始されたら、是非、参考人として捜査協力してくださいね。
〈対応その3:告発ルート〉
 1 「対策その1」とか、「その2」を実行して、行政や警察に通報したのに、
  立ち上がってくれない場合もあります。
2 その場合は、鳥獣保護・狩猟法に違反した犯罪があり、しかしその犯人の
  氏名が不明な場合なので、警察・行政の「尻叩き(^^;)」をする必要がありま
  す。
   そこで、氏名不詳者に対する鳥獣保護・狩猟法違反被疑事件を都道府県の
  「特別警察官」あるいは警察に対し、刑事訴訟法の規定に従って、「告発」
  という手続をとることもあるのです。そうすると、その事件の捜査が、間
  違いなく、開始されることになります。
〈対応その4:市民運動ルート〉
 1 平成3年にかすみ網関係の画期的な鳥獣保護・狩猟法の改正ができました
  が、これこそ市民運動の大きな成果でした。
2 「全国野鳥密猟対策連絡会」のような活動が、今後とも広く国民に定着す
  るように頑張りたいものです。


Q ホオジロなどが多いフィールドで、「スズメを捕るんだ」と言って、狩猟期に、「かすみ網」を仕掛けている人を見かけました。スズメは狩猟鳥だから、捕ってもいいのかなと思い、「かすみ網」を取り上げるわけにもいかず、連日のように非狩猟鳥を捕っているのではないかと心配して、監視を続けています。
 本当に、狩猟鳥を捕るためなら、狩猟期に、「かすみ網」を仕掛けてもいいのでしょうか。私の本心は、「かすみ網」を2度と使用出来ないように、切ってしまいたいのですが。
A 私たちは、「かすみ網の使用が絶対に禁止されている」と理解し、これは犯罪ですから、野鳥犯罪に対する「対応その1:行政ルート」や「対応その2:警察ルート」により、直ちに通報をしましょう。
 「かすみ網」それ自体が重要な証拠物で、その仕掛けられている状況もまた大事な証拠になるわけですから、写真を撮影しておく程度に止めて、みだりに手をつけないようにし、捜査の進行を見守りましょう。


Q かすみ網は全面的に禁止されているのに、今でも密猟に使っているのを見かけることがあるんですが、真新しいものを発見したときはどうしたらよいのだろうか。また、一見してごく古いかすみ網を発見した場合は、その場で処分しても構わないのですか。
A 仕掛けられているかすみ網は、犯罪の重要な証拠物です。そこで、真新しいものを発見したときはもちろんですが、一見してごく古いかすみ網を発見した場合でも、他人が勝手に処分できないので、そのままにしておいて、早速、通報しましょうね。
 あなたの通報を受けたら、直ぐ立ち上がってくれるように、取締り機関と市民との連携の輪を拡げたいと願っています。


【猟犬を使ってする密猟】
Q 荒川の河川敷で、昔はずっと密猟やってて捕まったこともあるという「元密猟者」と立ち話をした際、野鳥が繁殖している季節に河川敷に猟犬を放して雛を捕っている者が多く、特にキジは、猟犬が近付いても親鳥は逃げないため、簡単に捕れるのだと聞きました。
 犬が野鳥の雛をくわえてくるのだと思いますが、それも密猟になるのでしょうか。
A 野鳥の雛を捕獲する行為は、違法行為そのものです。
 猟犬を放して雛を捕獲するのは、明らかに、鳥獣保護・狩猟法に違反する行為です。ですから、犯罪と評価されて処罰されるものです。仮に、「猟犬を運動させていたら、偶然、雛をくわえてきた」という「弁解」をしたとしても、猟犬を飼っているほどの人なら、狩猟免許を持っているでしょうから、どんなに頑張っても、「未必(みひつ)の故意」ありとみられて、犯行を全面自白せざるを得ないでしょうし、嘘を通してみても、結局、裁判で処罰されるものと考えられます。
 普通のペットの犬の場合は、その飼い主の認識に関わりますが、ごく例外的な場合以外、まず、犯罪と認定されるでしょう。


【密猟者と遭遇した際の態度】
Q 密猟者らしい人と遭遇し、探鳥会の幹事がかなり強い調子で詰問するのを脇で聞いていたことがあります。その時は、こちらの人数が多かったのでまあ大丈夫でしたが、実際に猟銃を持っている密猟者らしい人に出会うと難しいものがあると思います。そんなときには、どんな態度で対応すべきなのでしょうか。
A こういう問題こそは大いに討議を進め、その中から本当に実践できる対応策が生まれてくるだろうということから、討議が展開された結果、現時点では、基本的な態度としては、次に集約されております。
 ア 密猟者に対し、個人的に取締りを行おうとすることはまず避けた方が無難
  であること。
 イ 実際の密猟者の風体とか、密猟の現場の知識を得た上で、なお、かつ、こ
  ちらが一人あるいは密猟者よりも人数が少ない場合は、気が付かなかったふ
  りをして過ぎ去る方がよく、後で、各通報先へ連絡するという方法を取るの
  がベストであること。つまり、逃げられないようにしたいというわけだね。
 ウ 密猟者の取締りなどについては、取締りを行っている団体の人々と一緒に
  行動するのがベストであること。


Q 同様なケースですが、FBIRDのオフで多摩川中流へ行ったときに、河原からそれほど遠くはないが死角になった草原で、一人の老人がカスミ網から獲物(ホオジロの♀)を収穫中でしたので、河原に先回りして老人の自転車を大勢で取り囲み、少々の言葉のやり取りの後で放鳥してもらいました。この時は多勢に無勢でこちらに分があったのですが、後味はよくありませんでした。
 しかし、あれが複数の猟銃を持ったハンターだったらと考えると、どうしたらいいのだろうかと思いあぐねているのですが・・・。
A 老人のケースはともかくとして、複数のハンターが銃を携えているという場合には、それだけで、恐怖心を抱きますよね。
 毎年ハンターの猟銃事故が発生しておりますが、いずれも過失のケースで、人に故意をもって発砲した事例はありません。
 警察も猟銃の管理には、最大限の注意をはらっておりますから、是非、毅然とした態度で警察等への通報を心掛けたいと考えますが、どうでしょうか・・。


Q 魚釣り禁止と明示されている、野鳥の泳いでいる池の方向へ釣り竿を持って向かって行く人がいました。釣糸による野鳥の被害は新聞・テレビ等でよく見聞しますが、まだ実際に釣りの行為に及んでいないし、ひょっとすると別の所へ行く途中なのかもしれないが、何となく怪しい風体の人物をどう扱えばいいのでしょうか。不法行為を未然に防ぐことは大事なことだと思うのですが。
A この問題も、本当に難しいことですね。
 これを逆に、野鳥観察のマナーに置き換えてみることもできそうですね。珍しい野鳥を求めて、他人の敷地に入ってしまうとか・・・。
 例えば、極端なケースでは、野鳥が飛行機のエンジンに吸い込まれて、飛行機が墜落したこともあるなど、種々の利害を適切に調和させつつ、野鳥を保護していくことの困難さが実感されますね。


Q 野鳥観察中、メジロをとりもちで密猟している現場に遭遇し、密猟をやめさせてから、名前・住所を聞き取ってメモし、犯人の写真を撮って、今後密猟したら警察に訴えるということで、説諭して見逃してやることにし、その際、袋に入っていたメジロを持っていたので、犯人が家から持って来たと言い張っていましたが、私が放鳥しました。袋に入っていたメジロを放鳥したことを含めて、このような説諭して見逃すという行動は、市民個人として、法的に許されることでしょうか。
A メジロ密猟を説諭して見逃すという行動が、法的に許されるかと真正面から問題にしていくと、許されないことというべきでしょう。
 別のケース、例えば、空き巣と居直り強盗の例に置き換えて、考えてみると、
 ア 帰宅したところ、空き巣が入っていたので、名前・住所を聞き取ってメモ
  し、犯人の写真を撮って、今後空き巣に入ったら警察に訴えると説諭して見
  逃してやることにする
 イ 空き巣が居直ると強盗になりますが、犯人が刃物を突きつけてきたので、
  アと同様なことをし、説諭して見逃してやることにする
 という措置を、通常の市民が、とるでしょうか。
 通常の市民は、そんな措置をとらず、警察に届けるはずです。それは、警察に届けることにより、ドロボーが世の中からいなくなることを願うからですね。
 事例が飛躍していると思われるかも知れませんが、法治国家では、犯罪を捜査すること、そして処分をすること等の権限は警察や検察の職責とされておりますから、私人が捜査をしたり、処分をすることはできない、建て前になっており、基本的には、同じことだと考えておく方がベターですね。
 放鳥についても、仮に飼養許可のあるメジロを犯人が持参していたときには、他人が所有者の意思に反して「放鳥」という財産権を侵害する行動に出ることはできませんから、法律上困難な問題を生じてくる可能性もあります。
 要するに、私たちは、密猟の根絶を目指しているのですから、その目的にマッチした行動を積み上げていきたいと考えるわけですね。


Q 数年前にとりもちを使ったメジロの密猟を見つけたときに、こちらは人数が多く、相手が地元の老人だったので、顔写真を撮り、名前・住所などを聞き、今後このような行為をしたら警察に届けると言って、犯人を放免しましたが、この措置は正しかったのでしょうか。なお、その後、その付近での密猟を見ることがなくなりましたが・・・。
A 「ツグミたちの荒野」(遠藤公男著・講談社刊)には、もうしませんと言っていながら、密猟を繰返した老人のことが書かれています。
 厳格な取調べをすることと、犯人のそれなりの事情を酌量しつつ、温情のある措置・処分をしてあげることは、きっと両立するはずですから、「野鳥たち」は、警察等へ目撃したことを伝えて捜査に協力してほしいと、考えているんじゃないでしょうか。


【鳥屋を設置させない方法】
Q いま紹介のあった「ツグミたちの荒野」には、かすみ網でツグミなどを捕獲して、密猟したツグミなどの料理を提供する「鳥屋」のことが書かれていますが、岐阜県下の最近の状況はどうなっているのでしょうか。
A 平成7年度「岐阜県鳥獣保護区等位置図」には、「カスミ網密猟3ない運動推進中」と大きな字の下に、「山をトヤ場に使わせない・保護鳥を捕らない・密猟鳥を食べない」と朱書きで記載されていますが、「山をトヤ場に使わせない」という運動が、その運動だと思います。
 こういう観点からの密猟防止活動も盛り上げたいものですね。


Q 直接密猟に絡むことではないのですが、霞ケ浦には猟期になると「鳥屋」というカモ撃ちのための簡易な小屋が、湖面に張り出して作られます。これは、国有地の不正利用とならないのでしょうか。取締りをしている様子はないのですが、取締りを求めることはできないのでしょうか。できるだけカモを撃たせたくないですから・・・。
A 面白い、いいアイディアだと思いますね。早速、「鳥屋」が設置される土地と湖面について、その所有関係を具体的に調査するなどし、皆さんで研究してみましょう。


【密猟対策のための市民の集まり】
Q 「全国野鳥密猟対策連絡会」について教えてください。また、熊本県には、「エコシステム」という集まりもあるそうですが・・・。
A 「全国野鳥密猟対策連絡会」は、事務局を日本野鳥の会京都支部の保護部におき、「野鳥密猟問題シンポジウム(密猟シンポ)」を主催するなど積極的な取り組みをしている集まりです。
熊本県の「エコシステム」の活動内容は、FBIRDの仲間の報告では、山を回って密猟現場を押さえ、捕えられた野鳥を放したり、カゴに入れられている野鳥を、取り押さえて来て飛ぶ訓練をさせた後、野に放すなどの活動をしているそうで、野鳥密売買の実態を把握する活動のほか、野鳥の餌となる実のなる木を山に植えたりもしているとのことですから、今後の野鳥保護活動のひとつの方向を示していると共感されますね。


【野鳥密猟問題シンポジウムの報告】
Q 第1回全国野鳥密猟問題シンポジウムの報告を紹介してください。
A 平成5(1993)年8月21・22日の2日間、徳島市で第1回全国野鳥密猟問題シンポジウムが開催され、参加者は200人という大盛況で、WWF、岩手大学、日本野鳥の会の各支部、その他の自然保護団体、地方自治体の行政担当者と様々な分野の方々が参加しました。
 会議は、WWF香港のメルヴィル氏から、アジアを中心とした野鳥取引の現状報告があり、中国・香港での野鳥取引の様々な話を聞きましたが、毎年多量の野鳥が、食用・愛がん用として日本に向け輸出されているそうです。日本野鳥の会京都・愛知県・岐阜県支部の小売り店調査、密猟地調査の報告では、日本各地の小売り店では70種以上の野鳥が売買されているそうで、京都でシロフクロウ一羽50万円などという例もあり、また、徳島県林政課の鳥獣保護係長からは、徳島県の鳥獣保護への取組についての説明がありました。
 その後、「法制度の不備と改正点」、「密猟鳥と輸入鳥の現状と問題点」、「各地域の情報交換」の3分科会に分かれて討議が行われました。
 最後に、(1)野鳥の輸入は即時原則として禁止する、(2)現行法に基づく野鳥の密猟取締りを強化する、(3)現在飼養許可されている野鳥4種(メジロ、ホオジロ、ウソ、マヒワ)を廃止することを要望するとの決議文が採択されました。
 その詳細は、野鳥誌の記事(1993年11月号46・47頁)をご参照ください。


Q 第2回全国野鳥密猟問題シンポジウムでは?
A 平成6(1994)年4月16・17日の2日間、瀬戸市で第2回全国野鳥密猟問題シンポジウムが盛況のうちに開催されました。
 各地からの報告の中で、徳島県で輸入証明書付きで販売されていた野鳥を山階鳥類研究所に鑑定を依頼して密猟鳥であることを立証した密猟事件の報告が注目を集めました。
 分科会では、(1)飼い鳥問題、(2)密猟問題、(3)輸入鳥問題をテーマにして討論が繰り広げられ、「愛知・定光寺アピール」を発表してシンポジウムを閉じました。その詳細は、バーダー誌の記事(1994年7月号50・51頁)をご参照ください。
 なお、同じ号の52頁から58頁までの「ここが違う!日本のメジロと中国のメジロ」に、徳島県で販売されていたメジロが輸入メジロであるかどうかの鑑定をされた山階鳥類研究所の茂田良光氏が、両者の識別点について解説した記事も掲載されており、輸入メジロ対策の「識別バイブル」ですから、こちらもどうぞご覧ください。


Q 第3回もお願いしますね。
A 平成7(1995)年8月26・27日の2日間、別府市で第3回全国野鳥密猟問題シンポジウムが開催されました。
 開会の挨拶の後、日本野鳥の会長崎県支部から九州の密猟の実態について報告があり、これまで知られていなかった九州での密猟の実態が明らかになりました。九州でも鳴き合わせ会のためにメジロの密猟が盛んに行われており、高価で売買されているということで、密猟者は九州各県を回ってメジロの密猟をしているそうです。また、密猟のための道具(カスミ網やとりもちなど)が普通に市販されていることも明らかになり、会場内に実際に販売されている密猟道具が展示されておりましたが、こんなものが簡単に手に入る現状に問題がありますね。
 次に、熊本県エコシステムの向井榮子さんから、熊本の密猟の実態とエコシステムのパトロールについて報告があり、密猟者はそれほど罪悪感を持っていないという問題点が指摘され、また、エコシステムでは、熊本県内で密猟パトロールを行ったり、密猟で捕獲された野鳥を自然に戻してやるためのリハビリ舎を作るなどの活動をしていることが報告されました。
 不正に飼われていた鳥を見付けると、そのまま放鳥しているのを見たことがありますが、長期に渡って篭に詰め込まれた鳥は、しばらくリハビリをして飛べるようにしてやらないといけないということに感慨を深くします。
 その他の各地からの報告では、密猟対策連絡会の活動の成果もあって密猟が減少しつつありますが、未だに各地で密猟が行われている現状が報告され、相変わらずメジロの鳴き合わせ会などでは、密猟された鳥が高価で売買されているようです。
 パネルディスカッションでは、国外からの野鳥の輸入問題を中心に議論が交わされ、これまでの密猟対策シンポで輸入証明書の問題が取り上げられて以来、ペットショップでは減少傾向にあるそうで、メジロの輸入を阻止ができるかどうかが、今後の運動に大きな影響を持つと考えられます。また、今回のシンポでも輸入証明書の無効性が問題になり、実例として、3年前に発行された輸入証明書が1年分の更新料で更新できるなど、証明書は全く意味を持たないことが明らかにされました。
 パネルディスカッションの最後に、参加者の野鳥の会宮古支部の遠藤さんが実際に大分市内で買ってきた(国産の、つまり密猟の)メジロを放してやって締めくくりましたが、エコシステムの向井さんからリハビリは必要ないとのお墨付きをもらって、会場の外に出て放鳥されると元気に飛んで行ったそうです。
 この第3回密猟シンポジウムの報告書は、〒616京都市右京区宇多野長尾町1ー3中村桂子氏方「全国野鳥密猟対策連絡会」電話075ー462ー0680で送料込み1000円で購入できますし、ご関心のある方は全国野鳥密猟対策連絡会にご入会くださいネ。
 なお、バーダー誌(1995年11月号60・61頁)に関連記事がありますから、ご参照ください。


《野鳥密売買に気付いた場面の法律Q&A》
【密猟した野鳥を輸入鳥にごまかすケース】

Q 国内で密猟した野鳥を、海外から輸入したように装って、ごまかす業者がいるっていうのは、本当のことですか。
A 九州からの情報では、小鳥店で、ジョウビタキ・メジロ・コマドリ・ミソサザイなどが堂々と販売されているんだそうです。
 そして、その値段は、ジョウビタキが、1羽5000円で「輸入証明書」などが付き、合計1万8000円だそうです。メジロは1万8000円、コマドリは、なんと、13万円。
 それがすべて密猟とは言えないのでしょうが、問題は、どうも国内で密猟された野鳥に、「輸入証明書」をつけて輸入鳥を装っているらしいことです。野鳥密猟問題シンポジウム(密猟シンポ)」で、輸入したメジロを逃がし、国内で密猟したメジロに輸入証明書を付けて、輸入鳥と偽って販売していた事実が明らかにされていますね。
 輸入証明書そのものが、「日本鳥獣商組合連合会」という業者の任意団体が発行しているものですから、相応の改善措置が必要だと言われており、輸入した野鳥に識別用の足輪を付けることなどが提言されております。
そんな密売の背景には、「メジロの鳴き合わせ会」の流行があり、その上、背後に暴力団の影が見え隠れしているという情報もありますから、心して対策を講じたいものですね。


【密売買に気付いたときの対策】
Q NHKテレビの「追跡・密猟メジロ」で密売のことを知り、ペットショップの店頭を注意していると、「日本産メジロ」らしいものが、堂々と販売されているのに気付きました。
そんなとき、どう対応したらいいのでしょうか。 A 近年野鳥ブームと言われていますが、ひとつは野鳥観察で、他方は鳴き声の良い野鳥の飼育とそのための野鳥売買なんだそうですね。
 「鳴き声の良い野鳥の飼育とそのための野鳥売買」は、構造的な野鳥保護に対する挑戦・犯罪であると考えるべき時期が到来したと、言っていいのではないでしょうか。
 これに寛容な考え方がないではないものの、「メジロの鳴き合わせ会」の横綱メジロが、その値「ウン百万円」と知ると、肌に粟が生ずる思いがしますが、いままで放置してきた分野のことですから、その処理については、社会的な合意を形成するべく大いに論議する必要があるのでしょうね。
 これこそ、「対応その4:市民運動ルート」にふさわしいテーマだと考えます。


【野鳥の密売買とDNA鑑定】
Q このごろ新聞で、DNA鑑定で犯人を突き止めたという記事を読むことが多くなりましたね。野鳥についても、DNA鑑定をして密猟鳥かどうかの判定ができると思いますが、どうでしょうか。
A DNA鑑定で犯人を突き止めたという記事の場合は、犯行の現場に毛髪や体液などが残されていると、この遺留物のDNA(デオキシリボ核酸)と犯人と目される人物のDNAの異同を鑑定するのだそうですね。
 仲間の報告によると、英国のBirdwatch誌の「英国の猛禽類売買DNA鑑定」の記事では、自分が野鳥を飼育して繁殖させたと言い張って罪を免れようとしたケースをDNA鑑定で見破ったという話で、野鳥の判定にDNA鑑定が活用されるようになってから、飼育下で繁殖させたと虚偽申告される鳥の数が1年で20%も減少するなど予想外の効果があったと書かれているそうです。
 野鳥のDNA鑑定については、つくばの農林水産省の研究機関でも委託を受けて検討しているそうですが、野鳥分類にDNAが活用されていますから、将来の研究の進展が楽しみですね。


《飼われている野鳥を発見した場面の法律Q&A》
【飼われている野鳥を発見したときの対策】

Q 飼われている野鳥を発見するのは、ペットショップで「商品」の野鳥か家庭で飼われている野鳥かの両方の場合がありますが、そんな野鳥を発見したときの対策を教えてくださいね。
A 野鳥が飼われている場面を、数え上げてみると、
  ア 密猟した野鳥を、こっそり飼育している場合(密猟が犯罪)
  イ 都道府県知事の飼養許可証の交付を受けて、野鳥や篭に付けて、飼育し
   ている場合(適法)
ウ 正規の狩猟で捕獲した狩猟鳥を飼育している場合(適法)
  エ 正規の飼養許可証の交付を受けた野鳥が繁殖した、その子を飼育してい
   る場合(適法)
  オ 正規に海外から輸入された外国産の野鳥を、輸入証明書付きで、飼育し
   ている場合(適法)
カ 密猟した野鳥を、外国産の野鳥のようにごまかして、輸入証明書付きで
   飼育している場合(密猟・密売買が犯罪)
キ 落ちていた雛や傷病鳥を一時飼育している場合(適法)
となりそうです。
 この各ケースを眺めてみると、尋ねても教えてはくれないだろうから、外部からは飼育の実態は分からないナーと、悲観的になってしまいそうですが、実際には、適法に野鳥の飼育を許されている場合は極めてまれなことなんですね。
 都道府県知事から飼養許可証の交付を受けて、許可証を野鳥や篭に付けて、飼育している正規なケースは、実際には数少ないのですから、野鳥が飼われている場面を発見したら、ペットショップで「商品」とされている野鳥であれ、家庭で飼われている野鳥であれ、是非、「対応その1:行政ルート」とか「対応その2:警察ルート」により、通報することを考慮した方がよいと考えますね。
 キビシ過ぎますか?
 なんだか、「ひとを見たらドロボーと思え」みたいな発想で嫌われそうですが、私たちは、密猟の「受け皿」になったり、密猟の動機になったりするような「野鳥の不正飼育」を根絶したいのですよね。その立場からは、市民が声を出すという、「声掛け運動」が、もはや、必要とされるのじゃないでしょうか。


《野鳥観察を妨害された場面の法律Q&A》
【野鳥観察を妨害されたときの対策】

Q 私は、マイフィールドをきめて定点観察をし、野鳥を定期的に観察していますが、いつものように観察していたら、ヤクザ風の男が寄ってきて、態度は一応丁寧なんですが、「おい、兄ちゃん。すまねえけど、ちいっと金貸してくんねえ。」と言うので断りました。そしたら、それはそれで済んだのですが、その後、イヤガラセのように、わざと観察中の野鳥に向かって石を投げて飛び立たせてしまい、挙げ句の果ては、私の近くにまで石が飛んでくるではありませんか。そんなことで野鳥観察を妨害されました。こんな明らかに野鳥観察を妨害された場合、何か犯罪になりませんか。
A 刑法に業務妨害罪という犯罪が規定されておりますし、軽犯罪法第1条第31号に「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」という罪があり、その処罰は「拘留又は科料に処する」とされていますが、この質問では、重い刑罰が定められている刑法犯罪の被害者になり得るかということが大きな問題になります。
 刑法の条文は、まず、第233条が、「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」、次に、第234条が、「威力を用いて、人の業務を妨害した者も、前条の例による。」という規定です。
 野鳥観察が刑法の保護の対象である「業務」と言えるかという問題ですね。まだ、野鳥観察を妨害された事件の事例はないのですが、学説では、似たような場合として、「娯楽のためにする自動車の運転や狩猟などを含まないと解すべきである」という学説があります。
 今のところ、野鳥観察の事例に遭遇しておりませんから抽象的な議論は別として、簡単に結論の出せない法律のひとつの問題ですが、このQ&Aの立場では、私たちは、「野鳥観察」を「健全な生態系が維持された環境の下での自然と人間の共生の確保のために、野鳥を肉眼あるいは機器を用いて観察すること」と定義して、私たちと密猟者との間に一線を画しつつ、「野鳥観察」というものを鳥獣保護・狩猟法の中核部分である「鳥獣保護事業」を支える市民の大事な行動だという考え方をしており、野鳥観察を単なる「娯楽」とは考えていないわけですから、ここは、「積極的に解釈」して、こんな悪いヤツを警察に通報してしまいましょうね。
 まあ、こんな問題もあり得るということですが、野鳥観察を法律上の定義をしまして、キチンと押さえておいた意味は、ここにもあったのです。


《鳥害の法律Q&A》
【鳥害対策】

Q ドバトが、勤務先の中学校に巣を作りました。中には足輪を付けたのもいて、フンをして困りますが、鳥類を愛護することとフン対策を調和させるよい方法はないものでしょうか。
A 校舎の清掃管理等の見地から、中学校の校舎にできたドバトの巣を落としてしまいたいという考え方と、鳥の巣はいじってはいけないものだと考える鳥類愛護との調和は、難しい問題ですよネ。
 ドバトを対象とする「有害鳥の駆除」という法律問題のほかに、足輪をつけたドバトもいるようで、それは、多分、逃げた伝書鳩でしょうが、「遺失物」という法律問題も絡んでいる様子ですね。
ちなみに、環境庁の「平成4年度鳥獣関係統計」をみますと、平成2年度にはドバト17万8543羽・卵324個、平成3年度にはドバト17万4668羽・卵615個、平成4年度にはドバト16万7068羽・卵640個が、有害鳥駆除により、駆除されております。


Q 10年近く前からシラサギが川岸に集団で営巣し、付近住民はシラサギのフンと餌として捕獲してきた魚が放つ腐敗臭に悩まされています。夏になり、シラサギ退治の方策として、消防の小型ポンプ車を川に浮かべて、岸に向けて放水し、巣やフンを洗い流すそうですが、法律上、どんな点が問題になるのか知りたいと思います。
A はい。我が国では、野鳥は原則捕獲禁止ですから、夏の野鳥の巣立ちの季節に、巣を水で流すなんてことができるんだろうかという疑問ですね。
 狩猟法第12条の特別捕獲許可の場合でしたね。
 環境庁発行の「平成4年度鳥獣関係統計」によると、コサギは平成2年度は3021羽、平成3年度は2170羽、平成4年度は1794羽が都道府県知事許可の有害鳥駆除により捕獲され、また、ダイサギは平成2年度は315羽、平成3年度は265羽、平成4年度は343羽が捕獲されており、公表されておりますし、なお、「ゴイサギ」は狩猟鳥ですが、「ゴイサギ」については平成2年度は4130羽、平成3年度は3224羽、平成4年度は3203羽が都道府県知事許可の有害鳥駆除により捕獲されております。
 そこで質問は、都道府県知事の許可を受けて駆除方策を実施することができるとしても、「川岸に集団で営巣し、フンによる悪臭に悩まされている被害」を理由にし、その「シラサギ退治」方策も「消防の小型ポンプ車で放水し、巣やフンを洗い流す」という根こそぎ退治するような方法をとることに、問題はないだろうか、ということですね。
 一つの問題は、狩猟鳥である「ゴイサギ」は比較的に生息数が多いので、仕方がないとしても、非狩猟鳥のコサギ・チュウサギ・ダイサギ・アマサギ等の「シラサギ」については、生息数が減少しているので、害があっても、一律に、都道府県知事の許可を受けて捕獲・駆除するべきではないという考え方があります。
 二つ目の問題は、駆除を差し控える場合には、行政的に、被害者補償措置を考慮すべきである、という考え方です。
 三つ目の問題は、「川岸の営巣」で人家までは一定の距離があると想定されますので、「フンによる悪臭」が「消防の小型ポンプ車で中州に放水し、巣やフンを洗い流す」という根こそぎ退治するような方法をとるべき必要があるのだろうかという観点からの、「被害」と「その除去の方法」が社会常識的にみて、バランスしているかという問題です。
 一般的に、鳥害の除去方法としては、農業や水産業では、作物や池に寄せつけないようにするなどの方法を講じた末、鳥害との均衡の上に立って、銃で撃つ等の手段が選定されるのであり、仮に、「フンによる悪臭」を除去するためには、「フンを洗い流す」という措置が必要としても、その巣を根こそぎ流すような方法しか方法がないのかについては、疑問があります。そして、「フンによる悪臭」除去に「名を借りて」、「消防の小型ポンプ車で放水して巣やフンを洗い流す」という措置を、知事の許可なく実行したとしたら、「巣に卵や雛があった」場合には、鳥獣保護・狩猟法に違反し、関係者は犯罪に問われることもありそうです。
 ところで、シラサギのコロニー公害対策として、どなたか、「EM菌」の希釈水溶液を噴霧して消臭することを試みてくださる方はいませんか。こんな分野こそ、自然の物質を活用してみたら、と考えるのですけどネ。


Q カラスの適切な数的管理が、密猟対策と同様に重要だと考えますが、どうでしょうか。
A 本当にそうですね。
 カラスが野鳥の雛をくわえているのを、何回も見ました。
 これから、真剣に、行政と市民が手を携えて、この問題に取り組まないといけないと思います。
 野鳥減少の原因は、乱獲、開発・自然破壊、それに生ゴミという餌を際限もなくカラスに与えている「カラスの増加に対する無関心」にあるのではないでしょうか。

《このQ&A誕生までの経過資料(書き込み)》
○きたきつねさんの「セイタカシギが目の前で銃殺」(95/02/13 22:47)
 2月11日の1時半ころFNで度々でている阿見町島津の浚渫土捨て場でセイタカシギを観察していたところ、土捨て場の中をうろついていたハンターに撃たれてしまいました。本当に目の前でセイタカシギが倒れたときには何が起こったのかわかりませんでした。
 友人がすぐに近くの公衆電話から110番で警察に通報しましたが、警察は近くにパトカーがいれば行かせます程度の対応で、まじめに対応してもらえませんでした。やはり警察にとって鳥の命は軽いのでしょうか。我々も相手が散弾銃を持っていたので、狩猟鳥ではないセイタカシギを撃つという低いモラルの人間を注意することはできませんでした。
 丁度友人がイギリス人男性とスペイン人女性の友人を連れてきていたのですが、非常に驚き、怒っていました。彼が一番最初にこれは不法行為ではないのかと何かすることはないのかといいだしました。それであわてて警察に連絡することを考えたわけです。私も役に立つかどうかわからないままハンターの乗って来たと思われるスーパーカブのナンバーをメモしました。友人が電話をしに行っている間に、近くにいたハマシギにも銃口を向けたのですが飛び立ってしまったので、既に事切れているセイタカシギに向けてさらに3発の散弾を浴びせたのには驚いてしまいました。
 このような場合の対応はどうすればよいのでしょうか。

○ひめあまつばめさんの「セイタカシギが目の前で銃殺のコメント」
 セイタカシギを撃つなんて....なんてむごい! (;_;)。相手は、銃を持っていますので、たぶん個人では出来ることが少ないと思います。
 この場合の対策として、(消極的ですが)完全に動物虐待なので、
 ・証拠写真を撮って(バイクのナンバ等を含む)、それなりの保護団体に送り、
  対応してもらう
 ・各種動物保護団体に、この状況を報告して、対応してもらう(強い権力を 
 持った人が賛同してくれる可能性が有る。)
 ・ビデオ等で撮影してテレビ局へ送る(取り上げられれば、一番効果があり、
  警察も動く可能性がある。)
 ・法律関係のフォーラムに相談してみる
などです。
 何でそんなモラルの低い人間が銃を持てるのだろう。ものすごく悔しい。

○きたきつねさんの書き込み
 県の鳥獣保護担当からは、セイタカシギの死体を確保してあれば、体内の散弾を確認できるのでより証拠がしっかりするといわれたそうです。経過に付いては順次報告してゆきたいと思います。
 狩猟期間は終わりましたが、探鳥地で密猟が公然と行われていることもあり、暴力団風の密猟者を普通の市民が注意することは難しいと思いますので、色々なケースでの対処のしかたが判ればと思います。
 なにか「マニュアル」のようなものができないものでしょうか。
 どこかでまとめてあれば、より多くの市民が密猟防止に協力してもらえるように思います。

○ある仲間の「ご提案を結実させましょう(^_^)」の書き込み(95/02/17 22:41)
 密猟者に対する普通の市民の対処の仕方についての「マニュアル」作りのご提言には、目が覚めるような気持ちがいたしました。多くの市民に、密猟防止・野鳥保護に協力してもらえるようにするための具体的な提案だと感じ入りました。
 皆さんから、いろいろなケースを示していただければ、美麗な肌ではありませんが、「双肌(もろはだ)」を脱がせていただきますよ(^o^)。

○ある仲間の「マニュアル作り」の書き込み(95/02/18 09:29)
       「バード法律事務所」開設のご案内
 きたきつねさんの「セイタカシギが目の前で銃殺」の書き込みからはじまった一連の書き込みの中で、野鳥観察・鳥類保護の場面で、一般の市民が、法律的なアドバイスを必要としていることが認識できました。
 きたきつねさんの、密猟者に対する普通の市民の対処の仕方についての「マニュアル作りのご提言」に触発され、そのマニュアルを作りたいと考えます。
 そこで、鳥(とり)あえず、マニュアルに盛り込むべき場面(ケース)を書き込んでいただきたいのです。様式・内容は適宜で、要は、困っているケースが判ればいいです。ある程度ケースが出そろえば、皆さんの必要とするアドバイスの範囲が決まりますので、快刀乱麻を断つように(?)、回答作りをしてみたいと考えております。
            バード法律事務所のトリ弁護士

○ある仲間の「ご協力ありがとうございました」の書き込み(95/03/26 13:32)
 きたきつねさん、ひめあまつばめさん、竜宮のつかいさん、はーほさん、俊さん、カモメさん、AWKさん、ちょびさん、風来坊のケンさん、まちゃおさん、おおるりさん、夜ふかしすずめさん、ZOO VETさん、大坂英樹さん、るびさん、余呉鳥さん、それにFBIRDの皆さん
 今日までの作業で、一応のまとめをし、「野鳥観察の法律Q&A」をデータライブラリーの8ドキュメントライブラリに、SYSOPのおおるりさんにお願いして、アップしていただきました。
 内容面で、軽々に割り切れないテーマについては、その旨の内容にとどめ、今後のFBIRDにおける論議の展開にまつこととしてありますので、念のため申し添えます。皆さんのご協力で、「とわの彼方へ翔び去ったセイタカシギに捧げる」鎮魂の作業を済ませ得ました。心からのお礼を申し上げます。


[このQ&Aの改訂経過と謝辞]
 ・平成7(1995)年3月 Ver.1
 ・平成8(1996)年3月 Ver.2
 FBIRDの皆さん。ご協力の御礼と、書き込みを勝手に利用させていただいたお詫びを申し上げます。本当にありがとうございました (^o^)。
 次の改訂に向けてご意見をお寄せくださいネ m(__)m。

                −終−